「これらは、住んだ人にダイレクトに影響を及ぼしますから、良い仕事をしようと思って引っ越す新社会人や、素敵なキャンパスライフを送りたい大学生はぜひ参考にしてみてください」(鈴木さん)

■家の状態=自分の状態だと思って整える

「風水は、環境を整えること。それはつまり、自分自身を整えることでもあります。ですから、部屋を選ぶとき、『どうせ寝るだけだし』と考えた時点で、自分のことを軽んじていることになります」とういのは、空海密教阿闍梨で風水師でもある種市勝覺さん。仕事や人間関係がうまくいかないときは、部屋の状態が荒れているのだそう。

「人は、環境適応能力がある、つまり『慣れる生き物』です。自分の部屋は散らかっているけれど、それでも居心地が良い、と思っているとしても、順応しようとして無駄なエネルギーを使い、ストレスになっています。部屋を大切にし、整えることは、自分を大切にすること。逆にいえば、部屋を整えることで人生は好転するのです」(種市さん)

 また、引越しの際は、断捨離のチャンスでもあるという。

「ものを捨てられない人は、捨てることで起きる『捨てることへの恐怖心』です。そして、そんな自分を責めることで、より捨てられなくなります。まずは、『捨てないことを選択している自分』を認めること。『捨てないことで自分を守っている自分は素晴らしい』と考えて、その上で、『今の自分にとってそれが必要かどうか』という1点で、判断していくことが大切です。密教はいつも『今』を生きることに焦点を当てます。あなたの『今を幸せにするもの』だけを残していってくださいね」(種市さん)

 さらに、引越し後に段ボールを開けないまま放置していると、仕事のマネジメントやスケジュール管理、勉強にも支障が出てくるのだそう。

「段ボールは、もともと、運搬を目的としたもの。リゾートホテルの一室に段ボールが積まれていることがないように、過ごす部屋には本来必要がないものです。それを『とりあえず』『そのうち』で置いたままにしていると、同じように、仕事や勉強などでも『後でいいや』という意識になっていきます。段ボールは、仮のもの。すぐに片付けるようにしてください。また、数年越しの段ボールで、中に何が入っているのかわからない、なんていうときは、中を見ずに捨てる!これが鉄則です(笑)」(種市さん)

 不動産のプロ、密教の阿闍梨、二人が伝えてくれたのは「良い部屋=環境が未来を作る」ということ。この時期大変な物件探しですが、まずは、妥協せずに自分や子どもの未来を見据えて、部屋探しを進めましょう。