「ムカつく子ども」に寺田心くんを起用したスポンサーの「してやったり」 (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ムカつく子ども」に寺田心くんを起用したスポンサーの「してやったり」

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宝泉薫dot.
可愛いけどザワつく、寺田心くん (C)朝日新聞社

可愛いけどザワつく、寺田心くん (C)朝日新聞社

 それでいて、人間としての中身は大人っぽいし、話す内容もしっかりとしている。これが四半世紀前の人気子役・えなりかずきあたりだと、中身としゃべり方がある程度シンクロしていたのだが、彼の場合はそのギャップが激しいのだ。

 それゆえ、子役によくある年齢不詳っぽさに加え、生身の人間ですらないような不思議な存在感がある。たとえば、漫画やアニメに出てきそうな、顔も声も可愛いのに、やたらと大人びたキャラクター。まず思い浮かぶのが「名探偵コナン」の主人公だが、それ以上に連想してしまうのがアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の地球外生命体・キュゥべえだ。

 ご存知の人もいるだろうが、キュゥべえは小動物のぬいぐるみのような可愛い見た目や声とはうらはらに、自分の星の利益のため、少女たちが最終的に邪悪な魔女になるよう巧みに誘導していく。その弁舌はさながら立て板に水で、哲学的ですらある。そんなキャラにも通じるような、ギャップあふれる存在感(すなわち、違和感)が「心くん」には備わっているのである。

 それゆえ「心くんCM」は視聴者の心をザワザワさせる。そして、その有効性をそれまでにないかたちで世に示したのが、昨春放送された「ブックオフなのに本ねぇじゃーん」だ。可愛いのに毒舌、という新キャラをやらせてみたら、世間がうすうす感じていたギャップとも見事にハマり、大ヒットCMに。当時、ブックオフは本の売り上げが落ち込み、他の商品に力を入れていくという新展開をアピールしたかったようだが、見事に当たって業績回復につながった。

 と同時に、彼のイメージチェンジにもひと役買ったのである。というのも、それまでの彼に対する世間の反応は「可愛い」「ムカつく」の2パターンだった。あの独特のしゃべり方が好悪を真っ二つに分けていたわけだ。

 それがあのCMを機に「面白い」が加わり始めた。子役はいずれ「可愛い」だけでは勝負できなくなるので、これは大きなプラスだ。しかも、それだけではない。「ムカつくけど面白い」という声も目立つようになってきた。


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