リタイア後の人生設計とお金の使い方を描いたら、次は自分の投資・運用スタイルを考えましょう。


 
 投資で利益を得るには、リスクをとることが避けられません。

 しかし、投資の世界でのリスクは「危険」という意味ではなく、「不確実」であることを指します。そして、「リスクが小さく、リターン(利益)が大きい」という都合のよい金融商品は残念ながら存在しません。

 投資で失敗しないために大切なのは、金融商品のしくみを知り、リスクをとりすぎないことです。

 元本が保証されていない「リスク資産」(株式などの投資型商品)の資産配分は、その人の投資スタイルや資産規模、ライフプランなどによっておのずと異なってきます。

 よくいわれるのが、「100−年齢」です。いま60歳であれば、リスクをとるなら最大で資産の40%までという目安になります。

 年齢を増すごとにリスク資産の割合を減らしていくのがよいとされており、タイミングを見計らって、リスク資産を少しずつ利益確定し、元本割れしない預貯金などに預け替えていくことをおすすめします。
 
 ちなみに、利益確定とは、金融商品が購入時よりも値上がりしたタイミングで売却し、利益を確保することです。価格が変動する中で自分の判断で売却の時期を決める必要があり、金融商品を選ぶ際は、売る時のこともイメージしておきましょう。(文/竹本鉄雄、杉村裕之<ライターハウス>)

〇監修 深野康彦さん(ファイナンシャルプランナー)さまざまなメディアやセミナーを通じて、家計、年金、住宅ローン、資産運用などマネー全般についての取材協力、相談業務を行っている。キャリア30年のベテラン。主な著書に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』など。

※週刊朝日MOOK『定年後のお金と暮らし2020』から抜粋