年間61万件が「予定外の妊娠」 緊急避妊薬の切実な処方状況

ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)

ヘルス

2019/12/04 07:00

 そんな時、妊娠率を限りなくゼロに近づけてくれるのが緊急避妊薬です。この薬は性交渉後3日以内、ないしは5日以内に内服しないと効果が期待できません。妊娠を望んでいないにもかかわらず避妊に失敗してしまった時や、そもそも避妊をしていなかった際に、緊急的な手段として翌朝に内服されることが多いことから、モーニングアフターピルやアフターピルとも呼ばれています。

 ナビタスクリニック新宿には、駅ナカにあることもあり、緊急避妊薬を希望される女性が多くいらっしゃいます。性交渉後3日以内に内服するノルレボ・プラノバール、5日以内に内服するエラ(酢酸ウリプリスト)の3種類を置いており、避妊に失敗してすぐに病院を受診できなかったという方にも対応できるようにしています。

 そこで、のべ1414人の女性の緊急避妊薬の処方についての処方状況を確認してみたところ、性交渉後5日以内なら内服可能なエラが最も多く処方されていたことが判明しました。受診曜日は日曜日が最も多く、ついで月曜日、水曜日の順で多いことがわかり、最終性交渉から受診までの日数は1日が最も多く、ついで当日(0日)、2日、3日の順で多かったことがわかりました。さらに、処方理由としては、コンドームが破れた・外れたが最多であり、次いでコンドームをつけなかったという理由が多かったのでした。

 日曜日の受診が最多であったということは、現行の医療機関の多くは、日曜日は休診しており、緊急避妊薬の需要を満たせていない可能性があると言えるでしょう。緊急避妊薬の処方の際も、コンドームは使っていたのに破れてしまった・外れてしまったといった理由のほかに、コンドームを適切に使用できていたか不安であるといった声も多く聞かれます。避妊に失敗したとわかった時に、すぐに緊急避妊薬を内服できるような環境づくりが必要であるのではないでしょうか。

 最後に。避妊目的で低用量ピルを内服したいと処方を希望して外来を受診した大学生をご紹介します。

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「身体によくないからやめたほうがいい」

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