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「ビジネスのテニスから離れていた」 瞑想にも取り組んだ大坂なおみの現状

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神 仁司dot.
前回女王として全米オープンに臨む大坂なおみ (c)朝日新聞社

前回女王として全米オープンに臨む大坂なおみ (c)朝日新聞社

 大坂なおみが、全米オープンのディフェンディングチャンピオンとしてニューヨークに帰って来た――。

 昨年の全米オープンで衝撃的な初優勝を果たした大坂は、日本人選手では初めてグランドスラムのディフェンディングチャンピオンとして大会に臨む。

「とてもエキサイティングな気持ちです。私はニューヨークで育ち、どの街よりも好きですし、懐かしさも感じます。とにかく、ここニューヨークでプレーするのが楽しみです」

 クレーシーズンやグラスシーズンでは、不本意なプレーが続いた。特に、ウィンブルドン1回戦で厳しい敗北を喫した後はいったんテニスから離れ、マインドリセットを試みた。

「ビジネスとしてのテニスから完全に離れていました。瞑想も行いました。自分の立ち位置や意味をよく考えました。その後、楽しく時間を過ごせるようになりましたし、それからテニスを愛せるようになりました」

 大坂は得意のハードコートシーズンに入ってから、WTAカナダ大会とWTAシンシナティ大会でベスト8に進出し、徐々に持ち前のパワーを活かした攻撃的なテニスを取り戻しつつあった。さらにプレー中に笑顔も見られるようになっていた。

 だが、WTAシンシナティ大会準々決勝では、左ひざのけがのため途中棄権。全米オープンに出場できるかどうかの危機に襲われ、「おそらく医師がノーと言ってもプレーすると思う」と強固な意志を示していた。

「(左ひざは)日々良くなってきています。ラッキーなことに治りは早い」と語った大坂は、ニューヨークに入ってから8月22日に練習を再開させて、左ひざにサポーターを付けているものの、今のところ問題なく練習をこなしている。

 取り戻した世界1位の座を維持して全米オープンで初めて第1シードを獲得した大坂(WTAランキング1位、8月19日付、以下同)は、1回戦でアンナ・ブリンコワ(93位、ロシア)と初対戦する。

 1年前の大坂は、世界19位で優勝候補にも名を連ねていなかった。このわずか1年でグランドスラムチャンピオンになり、世界1位の座に登り詰め、大坂を取り巻く環境は激変した。

 大坂には、これまでにない高い注目が集まり、かつてないほどの重圧に襲われるかもしれない。そんな中でも、大坂は「メディアからの注目は嬉しく感じている」と気丈に振る舞っている。

 現在も、女子トップ選手たちの実力が拮抗しているため、全米オープンでの優勝争いは混戦が予想され、世界1位争いも熾烈を極めそうだ。そんな中で、果たして大坂が実力を発揮して、連覇を達成できるのか大いに注目だ。(文・神 仁司)

●プロフィール
神 仁司
1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン)勤務の後、テニス専門誌の記者を経てフリーランスに。テニスの4大メジャーであるグランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材している。錦織圭やクルム伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材も行っている。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。国際テニスの殿堂の審査員でもある。著書に、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)がある。


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