互いに余裕があれば、構内図などで案内してあげるのもいいだろう(C)朝日新聞社
互いに余裕があれば、構内図などで案内してあげるのもいいだろう(C)朝日新聞社
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 訪日観光客の増加もあって、駅構内で外国人を見かけることが多くなった。とくに路線が交錯し、列車種別も多い首都圏や関西圏では、どの列車に乗っていいのか迷っている外国人も目につく。2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控えているので、日本の鉄道に乗りなれない外国人はますます増えそうだ。そこで、外国人に乗り方を訪ねられたり、あるいは積極的に案内してあげたりする場面に遭遇したときの簡単な英語を伝授できればと思う。

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■「乗る列車」を訪ねられたら?

例)御茶ノ水駅で、外国人観光客に水道橋への行き方を訪ねられたら……?

“I would like to go to Suidobashi, Which train shall I take?”

「水道橋に行きたいのですが、どの電車に乗ればいいのですか?」

 この場合は、下記のように答えると、乗り間違いも防げて分かりやすいだろう。

“You will take the local train bound for Nakano. The train with yellow stripe.

“You must not take the rapid service with red stripe.”

「中野行き各駅停車に乗ってください。黄色い帯の電車です。赤い帯の快速電車には乗らないでください。」

 列車や電車の行き先は「bound for Nakano」(中野行き)のように「bound for」を使うのが通例だ。Boundを略して「for~」といっても通じるけれど、「to~」は不可。英語の小噺で「to Boston」と言ったら切符が2枚出てきたので、そうか、toではなくてforだったと気づき「for Boston」と言い直したら今度は4枚でてきて焦った。困ってしまい、日本語で「えーと、えーと」とつぶやいていたら8枚出てきた、というものがある。どこまで本当の話かは不確かだが「I will take the train bound for Boston.」と言えば確実であろう。

 ところで、各駅停車のことは「Local Train」という。人口希薄なへき地を走るいわゆる「ローカル線」ではなく、首都圏の通勤電車も、快速の「Rapid Service」に対して「Local Service」「Local Train」という。もともとローカルには田舎の意味はなく「(全体に対して)地域の」という意味だから、地域密着型の各駅停車が「Local Train」なのである。

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特急の乗り方を聞かれた場合