占いというくくりだけど、未来を当てることじゃない。それをハッキリ言わない占い師はペテンだと思っています。

 昔、上岡龍太郎師匠が占い師に「僕があなたを殴るかどうか占え」って言って、占い師が「殴らない」と言い終わる前に殴ったっていうエピソードがありましたが、それが真実だと思うんです。「あんた今、自分の未来がわからなかっただろ!」っていうこと。

 日本で言うと、古くは卑弥呼が占いでいろいろ決めて王国をつくったって言われるけど、彼女は死んでから散々じゃないですか。どこに住んでいたのかも、墓がどこにあるかもわからない。名前も諸説あって、実在したのかももはやわからないわけです。それを卑弥呼が生前に聞いたら無念でしょうがないでしょうね。自分の王国をつくるぐらいだから、貪欲に生きていたはずの女ですよ。祈祷して、生贄みたいなことで人の命も奪っただろうし、何千年も後世に自分の存在を示したかっただろうに……。占いやっていても、未来に示すには書物を残すことが必要だってことすらわからなかったんですよ。バカじゃないかと思うんです。だから僕は、太古の昔から占いなんてものは未来を言い当てられなかったと思っています。

 特に女子が占い好きなのは、流行りのスイーツと一緒なんですよ。「美味しいケーキ屋さんができたらしいよ、今度の週末に行ってみようよ」っていうテンションと、「よく当たる占い師がいるらしいよ、行ってみない?」は同じ。

 そして、そんな客が喜ぶのは希望があることを言ってから、ちょっと核心を突くようなマイナスのことを一つ言ってあげることです。28歳ぐらいの独身女子が悩んでいたら、「35歳までに良い人を見つけたら結婚できるよ。それ過ぎたら婚期は遅れるから」って言えばいい。希望ができれば、それが当たるということになる。「一生できない! 無理無理」って言う占い師がいないのはそういうことです。

 テレビ番組で占われることもありますけど、断言します。あれは当たらないです。僕はプロフィールとか書類上は4月2日生まれになっていますけど、本当に生まれたのは3月30日。学年の変わり目だから、親が出生届を出すときに変えたらしいんです。いまやると文書偽造になるらしいんだけど、僕は1971年生まれで、少し下の世代まではそういう人が結構いるんですよ。番組側が名前と生年月日を使って勝手に占っていたりするんだけど、そもそも違ってるから!

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占い番組でタレントが「当たってる」と言う理由