佐藤二朗「ヨリのカメラに安心し、遠いと不安になる」役者の性 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

佐藤二朗「ヨリのカメラに安心し、遠いと不安になる」役者の性

連載「こんな大人でも大丈夫?」

このエントリーをはてなブックマークに追加
佐藤二朗dot.
佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける

写真はイメージです(c)getty images

写真はイメージです(c)getty images

 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回はカメラとの距離について。

*  *  *
 いま実は、某ドキュメンタリー番組の密着取材を受けています。昨年の12月から、あらゆる現場に密着カメラが入り、僕を追いかけています。僕なんかを追いかけて番組が成立するのか?という、申し訳ないような、ありがたいような気持ちがある反面、やはりカメラというのは、向けられると気が休まらないものだと改めて感じます。

 その某番組のディレクターは、旧知の仲で、しっかりと打ち合わせをした上での密着取材です。そういう意味ではストレスは少なく済んでると思うんですが、やはりカメラを向けられるというのは、「圧」といいますか、ある種の緊張を強いられるものだと思います。

 某映画の撮影現場にも、その某ドキュメンタリー番組の密着カメラが来まして(某、某、ばかりで申し訳ない。なにしろ情報解禁がまだでして)、映画の撮影本番、撮影の合間、休憩時間、共演者やスタッフとの談笑、昼食時間まで、密着カメラがずっと追いかけてきます(もちろん「ここはカメラを止めて」とこちらが言えば止めてくれます)。とはいえ、役者にとっては映画の撮影がオンだとすると、オフの場面もカメラを回されてるわけで、やはり「いや~、気が休まらないなあ」と思いながら午後の映画の撮影が始まりました。

 午後のシーンは、医者の役である僕が、病院の受付で突如として、踊り狂うという、ちょっとここだけ聞くと、かなりファンキーな映画を想像すると思いますが、とにかくそんなシーンの撮影でした。

 最初、ヨリの画を撮るため、カメラ(映画の方)は僕の近い距離にいたのですが、そのあと、今度はヒキの画を撮るため、カメラ(映画の方。まぎらわしいな)は僕から遠くの場所に行きました。その時、「あれ?」と思いました。

 あれほど、ドキュメンタリーのカメラが近くにいると、「気が休まらない」と思っていたのに、映画のカメラが遠くに行くと、少し不安に感じ、「カメラが近い時には安心感があったな」と気付いたのです。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい