日本のために戦う海外出身選手、ラグビー界特有の“多様性”の原点はどこに? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本のために戦う海外出身選手、ラグビー界特有の“多様性”の原点はどこに?

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ニュージーランド出身ながら日本代表を選択したリーチ・マイケル(写真:getty Images)

ニュージーランド出身ながら日本代表を選択したリーチ・マイケル(写真:getty Images)

 今年2月、多くのラグビーファンを大きく喜ばせたニュースがあった。トンプソン・ルーク(近鉄ライナーズ)のサンウルブズ加入だ。苦しいシーズンが続くサンウルブズの戦力アップへの期待だけではない。日本代表強化とリンクしているサンウルブズへの加入の延長線上には、トンプソンの日本代表復帰の可能性があるからだ。

 ニュージーランド出身のトンプソンは2004年に来日。日本国籍を取得する前から日本代表に選ばれると、骨身を削る献身的なプレーで2007年、2011年、2015年とワールドカップ3大会に連続出場している。2015年の南アフリカ代表「スプリングボクス」戦ではフル出場し、世界のラグビー史に残る大金星に大きく貢献。専門誌『ラグビーマガジン』(ベースボール・マガジン社刊)の読者による「ワールドカップMVP」に選ばれるなど、日本のラグビーファンの心を強くつかんでいる。

 ラグビー日本代表で活躍する海外出身選手はトンプソンだけではない。キャプテンのリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス)もニュージーランド出身で、トンプソン同様に日本国籍取得前からサクラのジャージーを身にまとって日本のために戦っている。しかし、ラグビー界の外に目を向けると、オリンピックをはじめサッカーワールドカップなどでも代表資格は国籍所持者に限っている。代表資格に国籍を問わないラグビーは、スポーツ界で極めてユニークな存在だ。

 ラグビーの代表資格は「その国・地域生まれ」「両親か祖父母の1人がその国・地域生まれ」「3年以上継続してその国・地域に居住」のいずれかを満たすこと。国籍を必要要件とする「属国主義」に対して、「属地主義」あるいは「所属協会主義」と呼ばれている。

 この独自の考え方は、ラグビーが英国で生まれ、英連邦を中心に広まったことと深く関係している。英国とニュージーランドやオーストラリアなどの連邦諸国との間で人の往来が頻繁に行われる中、移住した先でも代表としてプレーできるようなルールが定められるようになったと言われている。ニュージーランドのラグビー百科事典によると、史上初めてニュージーランド代表「オールブラックス」が編成されるよりも10年以上前の1872年に、ジョン・アンダーソンというニュージーランド人がスコットランド代表に選ばれ、国代表同士の試合を戦った初のニュージーランド人になっている。



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