希少な物件に出会えたとしても、飼いたちの受難は続く。冒頭の女性が言われたように、敷金や賃料が通常よりも高額に設定されるというのだ。

「敷金・礼金は1カ月ずつというのが一般的ですが、猫を飼うと敷金はさらに1~2カ月分が課されることが多い。大家さんとしては原状回復費用を賃借人から取れない場合を考慮して、高ければ賃料が1万円ほど上乗せされるケースも見られます。ただ、賃貸物件の空室が増えているという現状もあり、ほかの物件と差別化するために『猫可』をアピールする大家さんも今後は増えてくるのではないでしょうか」(土屋さん)

 冒頭の女性も、猫不可だったはずの両隣りの賃貸マンションで飼い猫を見かけることがあるという。

「コンビニには必ず猫砂が置いてあるし、飼っている人は結構いると思うんです。それなのに、こんなに物件が少ないのはおかしい。もっと条件の良い部屋が増えてほしいと思います」

 人を癒やし、たくさんの生活を支えている猫たち。その暮らしがもっと自由で快適であってほしい(AERA dot.編集部・金城珠代)