「数枚の写真が頻繁に無断使用されていることは知っていたのですが、まさかこんなにあるとは……」

 COPYTRACKは個人ブログなどの非商用サイトやキュレーションサイトは交渉代行の適用範囲外だが、ネット上で同じ画像を発見すれば自動的にリストアップするため、約500件という膨大な件数となった。その中からdapandaさん自身が無断使用と判断し、COPYTRACKに交渉を依頼したものが50件。現在、10件の交渉が成立し、40件が交渉進行中という。

「COPYTRACKで最初に使用料を得たのは消費者金融のサイト。ブライダルローンのイメージ写真に使われていたのですが、そこに載っていたのは警察官同士の結婚式の写真でした(笑)」

 非商用のサイトについては、dapandaさん自身が警告メールを送っている。

「ただの無断使用なら『著作権は当方にあるので削除してください』とマイルドに、扱われ方がひどいときは『警察に提出します』という強い警告的な文書を送ります。でも、7割くらいは無視され、2割は連絡がないまま削除。残りの1割が謝罪です。『NAVERまとめ』でもよく使われるので運営会社に連絡したのですが、まったく返事がありません」

 ほかにもCOPYTRACKが代行できないケースがある。サイト管理者の連絡先が不明な場合や、同社のサービス提供外の国で無断使用された場合などだ。

 前者では、そもそも連絡先がわからなければどうしようもない。しかし、dapandaさんも負けてはいない。

「無断使用しているサイトに客を装ってメールなどで連絡を取ってみるんです。向こうは商売ですから返信があります。連絡先さえわかればCOPYTRACKに伝えて、交渉を進めてもらえます」

 後者については、COPYTRACKは140カ国でサービスに対応しているものの、中国は対応外。中国でも悪質な著作権侵害が横行しており、dapandaさんの写真の無断使用も発覚したが、手を出せずにいる。

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「お金を要求する詐欺メールがきた!」