鼻の奥にグリグリ… 痛くて辛い「インフルエンザ検査」はどこまで信用できる? (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

鼻の奥にグリグリ… 痛くて辛い「インフルエンザ検査」はどこまで信用できる?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

このエントリーをはてなブックマークに追加
山本佳奈dot.#ヘルス
◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

感染したら自宅での休養が大切だ(写真:gettyimages)

感染したら自宅での休養が大切だ(写真:gettyimages)

 インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型があります。そのうち、ヒトに感染し流行を引き起こすのはA型とB型です。インフルエンザの流行には季節性があり、日本では、毎年12月から3月にかけて流行します。

 では、どうして毎年流行するのでしょうか?

 インフルエンザウイルスには、「型」だけでなく、「株」とよばれるさらに細かな分類があります。インフルエンザウイルスの表面の突起物であるHAの構造の違いを分類したものです。私たちのカラダの免疫システムは、このHAの構造を記憶しているのです。しかしながら、HAの遺伝子は毎年のように変異を起こします。そうすることで、インフルエンザウイルスは、我々の免疫システムから逃れ、毎年流行し続けているのです。

 こうしたことから、予防接種をすることがインフルエンザの一番の対策となります。FDAのゴットリーブ長官も、「FDAが承認したインフルエンザを治療する抗インフルエンザ薬はいくつかあるが、年に1度の予防接種の代わりにあるものはない」と述べています。

 インフルエンザワクチンは、現在、A型とB型ともに2種類の株、つまり4種類の株に対応できるように作られています。その際、世界保健機関(WHO)を中心として、どの株が流行するかが予想されており、これまでに、予想が外れてワクチンが効かなかったという事態はほとんど生じていません。

 また、インフルエンザワクチンは、不活化ワクチンであり、病原体となるウイルスの感染能力を失わせたものが原材料となります。そのため、ワクチンを接種して得られた免疫は時間とともに弱まります。インフルエンザワクチンの場合、3カ月程度しか効果は持続しないため、流行のシーズン前に接種する必要があります。

 米国疾病管理センター(CDC)のインフルエンザワクチンの有効性の報告によると、65歳未満の健常者ではインフルエンザの発症が70~90%減少、65歳以上の老人施設に入居されていない高齢者では肺炎やインフルエンザによる入院が30~70%減少、老人施設に入居されている方は、インフルエンザの発症が30~40%減少、肺炎やインフルエンザによる入院が50~60%減少、死亡リスクが80%減少したといいます。また、1歳から15歳の子供にも、インフルエンザの上気道症状に対して77%から91%有効であったとのことでした。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい