それなら、勘違いしてただエンジン音を鳴らして暴れてるのは「ダセえ」ってもう一度教えていくのも、仕掛けた人たちの責任だと思うんですよね。メディアがそれを率先してやっていくべきでしょ。

 例えば、正月の「初日の出暴走」はそれができた例だったと思う。暴走族が多かった1990年代ぐらいのトレンドだと思うんですが、年末に大挙して走っているから大迷惑だったんですよ。それが警察24時とかで特集されるうちに、一般社会ではバイクの後ろでタコ踊りするやつとか「田舎っぽくてダセえ」ってことになってきたわけです。もちろん警察の取締りも厳しくしたんだと思うんですけど、暴走族も減りましたよね。

 渋谷のハロウィーンで、テレビのレポーターが「車を倒してます、危ないです」っていうVTRを流しても、この時期が過ぎたら忘れちゃって、来年また同じことを繰り返すなら、煽ってるだけだって!

 ジャパニーズ・ハロウィーンは、コスプレフェスティバル。もちろん収穫祭じゃないし、お祭りとしての目的もプログラムもルールも無い。だから勘違いしたやつが酒のんで暴徒化するのは、ある意味で当然なんですよ。

 集団でコスプレしたりするのはアドレナリンが出て、心理的には若返りとか活力が出たりするっていう効果があるらしいし、みんなが楽しんでいて、この流れは止められない。それなら、「コスプレフェスティバル」をちゃんと設けてあげればいいと思うんですよ。

 もうハロウィーンとは呼ばずに、10月31日かそれに近い週末とかで日本中でコスプレを楽しむ日にすればいい。朝9時から夕方5時までこのルートでパレードしてますよとか、仮装コンテストをしますとかプログラムも設けて。時間が決まっていたり、目的やルールがあるからみんな楽しめるわけです。いまはとりあえず派手なところ行こう、みんなで楽しもうってなるから、何人かが酒飲んで勘違いして暴徒化しちゃうわけです。

 渋谷区だけじゃなくて、もっと大きな取り組みにして、その中でちゃんとビジネスを仕掛ければいいと思うんですよ。行政的な理由付けをするなら、日本はコスプレ好きな国民性だから、アニメとか独自の文化を海外に紹介するときの強みになる、と。だから我が国はあえて、コスプレをやります! 外国の人も来て、一緒に祭りを楽しみましょう、っていう3日間のイベントを設けるとかどうでしょう? 自粛してください、終電までに帰りましょうって言ってもダメなんだと思います。

著者プロフィールを見る
カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

カンニング竹山の記事一覧はこちら