くらやみ祭りは1900年の歴史を持つ大國魂(おおくにたま)神社の例大祭で、期間中の市内は神輿や大太鼓、山車などが市内を巡る。都の無形民俗文化財にも指定されていて、毎年70万人もの人が来場する盛大な祭りだ。

 片山氏のツイッターでも、くらやみ祭りへの訪問について書かれている。今年5月4日には、祭りに参加して地元の人と一緒に撮影した写真を掲載。自民党の地元議員らと市内を巡った後に、

<無形文化財の歴史伝統と、26万都市が地域挙げてのインボルブメント、私も大太鼓で参加!高野市長、府中のお母様、女性部長さんと全屋台お出迎え!>

 と投稿している。そのほか、ブログでは15年の祭りに参加したことも報告されている。

 14年5月のビールの寄付も、そういった陣中見舞いの過程で寄付された可能性がある。当時、寄付者の看板が掲示された地域で祭りのスタッフをした男性は、こう話す。

「片山さんとは、私も握手をしたことありますよ。(片山氏の名前は)たしかにこちらで書いたもの。誰がビール箱を持ってきたかはわからないけど、寄付者のリストに名前があったから、(寄付者看板用の用紙に)書いたんでしょうね」

 寄付者看板には、地元の人や店などの名前が書かれていることがほとんどだ。念のため、同姓同名の人が地域にいないかをたずねると「この辺りにはいませんね」(前出の男性)とのことだった。

 別のスタッフの男性は、こう話す。

「くらやみ祭りは規模が大きいから、政界関係者もたくさん運営を手伝っている。片山さんが祭りに来て挨拶をして、さらに寄付者看板に名前まで出していたから、彼らは『これはヤバくないか』と話していました」

 府中市の関係者はこう話す。

「この年の10月に、自民党の松島議員が祭りでうちわを配布していたことが問題になって法相を辞任して、府中市でも15年に市議が自治会の子供神輿に現金を寄付していたことが発覚して、その後に失職したことがありました。それが影響したのかはわかりませんが、15年以降は片山さんの名前を寄付者の看板で見かけなくなりました」

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取材に対する片山さつき氏の回答は…