美女が謎の転落死、殺人罪に問われた男の命運を決定づけたスマホ録音記録とは? 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
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美女が謎の転落死、殺人罪に問われた男の命運を決定づけたスマホ録音記録とは?

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長江俊和dot.

転落死した女性(右)出会い系サイトで知り合い殺人罪に問われた男性(左)(写真:フジテレビ提供)

転落死した女性(右)出会い系サイトで知り合い殺人罪に問われた男性(左)(写真:フジテレビ提供)

男性の部屋で“自撮り写真” 最初はいい雰囲気だったが…(写真:フジテレビ提供)/フジテレビ土曜プレミアム「世界法廷ミステリー10~死者からのメッセージ」10月27日(土)午後9時~11時10分 放送(AERA 2018年10月29日号より)(https://www.fujitv.co.jp/b_hp/sekaihoutei-mystery/)

男性の部屋で“自撮り写真” 最初はいい雰囲気だったが…(写真:フジテレビ提供)/フジテレビ土曜プレミアム「世界法廷ミステリー10~死者からのメッセージ」10月27日(土)午後9時~11時10分 放送(AERA 2018年10月29日号より)(https://www.fujitv.co.jp/b_hp/sekaihoutei-mystery/)

防犯カメラに映るふたり(写真:フジテレビ提供)

防犯カメラに映るふたり(写真:フジテレビ提供)

 スマートフォンに防犯カメラ、ドラーブレコーダーなど、テクノロジーの発達により、事故や犯罪の瞬間は記録され、たった一つの真実を導き出す。

【最初はいい雰囲気だったが…男性の部屋での“自撮り写真”はこちら】

 2014年8月、オーストラリアのリゾート地、ゴールドコーストで事件は起こった。高級マンションの14階から、26歳の女性が謎の転落死を遂げたのだ。女性はそのマンションの住人ではなく、そこで暮らすボディビルダーの男性の部屋を訪れていたという。二人はその日、出会い系サイトで知り合ったばかりだった。一体なぜ、女性はマンションの14階から転落したのか? 事故死なのか、それとも男性に殺害されたのか。

 今回、フジテレビ「世界法廷ミステリー10~死者からのメッセージ」取材班が、男性のスマートフォンに録音されていた84分の音声データを独自入手。謎に満ちた事件の全容が明らかになった。

 音声データに残された記録――死亡する直前の二人の会話。仲睦まじい様子から一転、激しく争う声と物音。30回以上にも及ぶ女性の「NO」という悲鳴。そして転落の瞬間……。

 法廷では、84分の音声データをもとに、検察側と弁護側の激しい攻防が繰り広げられた。検察側は、「男性に首を絞められ、逃れようとしてベランダから転落した」として、男性に殺意があったと主張。一方弁護側は「男性は錯乱した女性を取り押さえただけ。女性が発作的にベランダから飛び降りた」と、あくまでも女性の自殺であると主張している。同じ音声データをもとにしているが、両者は全く異なる見解なのだ。殺人か、自殺なのか? そして、男性に下された判決は……無罪だった。

 今回音声を独自入手した「世界法廷ミステリー10」は、海外の裁判映像をもとに、実際に起きた事件を紹介する番組である。筆者はミステリー作家として小説を執筆する傍ら、番組にスタッフとして参加し、VTRの構成や演出に携わっている。

 ミステリー的な見地からすると、この事件は日本でも起こりうると感じた。実は、出会ってからの二人の行動は、街の複数の防犯カメラに録画されていたのだ。音声データと防犯カメラ。男女の行動が逐一、記録に残っていたというのも驚きだが、それでも、男性は「殺人犯」として疑われたのだ。

 音声データを巡って、全く違う推論を立てた検察と弁護側。自らの無罪を立証するはずの証拠に、犯罪者に仕立て上げられたかもしれなかった。だが、真実は一つである。音声データにおける解釈で、検察側の推論に矛盾があり、彼の無実は立証されたのだ。(長江俊和・ミステリー小説家)

長江俊和(ながえ・としかず)
小説家、映像作家。2014年に上梓したミステリー小説『出版禁止』(新潮文庫)は16万部を売り上げた。著作は『放送禁止』(角川ホラー文庫)『掲載禁止』(新潮文庫)『東京二十三区女』(幻冬舎文庫)など。最新作は『出版禁止 死刑囚の歌』(新潮社)。


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