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スティーブ・ジョブズがこだわったイノベーションが生まれやすい空間とは?

ジョブズが生前に計画したアップルの新本社ビルは、その死から6年を経てようやく完成した。写真は「スティーブ・ジョブズ・シアター」(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

ジョブズが生前に計画したアップルの新本社ビルは、その死から6年を経てようやく完成した。写真は「スティーブ・ジョブズ・シアター」(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

 マッキントッシュの開発に取り組んでいた1980年代から、ジョブズは職場の環境についてこう考えていたといいます。

「チームとは、単に人の集まりを指すのではない。職場の環境も、チームの一部なのだ。空間が、チームの生産性に大きな影響を及ぼす」

 なかでもこだわったのが、人と人が出会い、語らうことのできる「アトリウム」(建物の内部に設けた中庭風の広場)です。マッキントッシュチームの新しいオフィスをつくった際には、中央にアトリウムをつくり、ピアノやテレビゲーム、ジュースなどの飲み物の入った冷蔵庫を置き、社員はこの場所で自由に休み、自由に話し合い、ゲームを楽しむことができました。

 同様の試みはピクサーの新本社を建築する際にも行っています。当初、ピクサー率いるジョン・ラセターは、一般的なハリウッド型のスタジオらしく、プロジェクトごとの建物と開発チームのバンガローをつくろうとしていましたが、「チームが孤立する」ことを嫌ったジョブズがアトリウムを囲むようにオフィスが配置された「いろいろな出会いが促進される」ビルをつくるように方針を変更しています。

「適切なビルは文化に大きく寄与する」というのがジョブズの考え方です。新しいビルでは階段や通路はアトリウムに通じており、社員はアトリウムを通って自分の部屋に入るため、自然とアトリウムでいろんな人と出会い、会話を交わすことになりますが、これこそがイノベーションにつながるとジョブズは信じていました。

「創造性は何気ない会話から、行き当たりばったりの議論から生まれる。たまたま出会った人に何をしているのかを尋ね、うわ、それはすごい、と思えば、いろいろなアイデアがうまれてくる。そうなりやすい建物にしなければ、偶然が生み出す魔法やイノベーションの大半が失われてしまう。だから、社員が自分のオフィスを出て真ん中のアトリウムに集まり、そうでもしなければ会わない人にも出会えるように建物を設計したんだ」(ジョブズ)


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