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自動運転の実現を阻むのは「技術」ではない! 必要な3つの対策とは?

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トヨタは自動運転車両「eパレット」で、移動サービスの開発を進めている。米ラスベガスのCES会場で=2018年1月 (c)朝日新聞社

トヨタは自動運転車両「eパレット」で、移動サービスの開発を進めている。米ラスベガスのCES会場で=2018年1月 (c)朝日新聞社

中国の李克強首相(右から2人目)が苫小牧トヨタを視察、右は豊田章男社長=2018年5月 (c)朝日新聞社

中国の李克強首相(右から2人目)が苫小牧トヨタを視察、右は豊田章男社長=2018年5月 (c)朝日新聞社

冷泉彰彦/1959年、東京生まれ。アメリカ在住のジャーナリスト・作家。東京大学卒、米コロンビア大学で修士課程修了。鉄道への造詣が深い。『予言するアメリカ』『自動運転「戦場」ルポ』(いずれも朝日新書)など著書多数。メルマガ「プリンストン通信」配信中

冷泉彰彦/1959年、東京生まれ。アメリカ在住のジャーナリスト・作家。東京大学卒、米コロンビア大学で修士課程修了。鉄道への造詣が深い。『予言するアメリカ』『自動運転「戦場」ルポ』(いずれも朝日新書)など著書多数。メルマガ「プリンストン通信」配信中

 2018年3月に、ウーバー・テクノロジーズの自動運転実験車両が起こした世界で初めての自動運転車による死亡事故。これによって水が差されたかに見える「自動運転技術」の開発だが、実際にはどうなっているのだろうか?

 鉄道への造詣が深いジャーナリストの冷泉彰彦氏が、シンガポールや、シリコンバレーでの国際会議の取材、そして数多くの技術者たちや、各国の当局者とのディスカッションを経てまとめた著者『自動運転「戦場」ルポ:ウーバー、グーグル、日本勢 ──クルマの近未来』。この本でも明かした自動運転技術の未来について、冷泉氏に改めてご寄稿いただいた。

【苫小牧トヨタを視察する中国の李克強首相】

*  *  *
 取材を始めた当初は、いたってシンプルな問題意識からのスタートでした。

「自動運転化が進めば世界の自動車産業は大きな変革に直面する、にも関わらず日本の動きは鈍いし、特にソフトウェア技術での遅れが心配だ……」

 アメリカ在住の私には、2017年の後半から2018年の年初にかけて、グーグルやウーバーの動向、あるいは多くの見本市での盛り上がりを実感していたこともあり、時代の流れに対する焦りのような感覚もありました。

 2018年の1月から2月にかけての取材では、そのような「熱狂」を実感することができました。「人間という信頼度の低いシステムにハンドルを握らせる野蛮は、一刻も早くやめるべきだ」とか「自動運転技術を前提に都市を丸ごと再設計すべきだ」というような「世界を変えるための」ディスカッションが、国際会議を主導していたのです。

 ですが、3月から4月にかけてヴォルボ=ウーバーの自動運転試験車が起こした人身事故や、テスラの「オートパイロット」機能という補助的な自動運転モードを誤って使う中での事故など、自動運転がらみの事故のニュースが続く中で、そうした「熱気」には「水が差された」のです。

 私には、2つの驚きがありました。1つはアメリカの世論です。自動運転車の開発で、世界を主導しているように見えるアメリカ、そのお膝元での世論は、実は自動運転に対して「拒絶」に近いようなネガティブな感覚を持っていたことがわかりました。もう1つは、肝心の自動運転技術というのが「夢物語」ではないということです。

 この「夢物語ではない」というのはどういうことか、この7月に起きた2つのニュースをもとにお話ししてみたいと思います。

 まず、トヨタ自動車は、7月23日に自動運転の実証実験を進めるという発表の中で、2020年の東京五輪に3000台の公式車両を提供すると公表しました。具体的には、シェアリングのコンセプトカー「eパレット」を用意して、選手村などの「閉ざされた空間」つまりは「私道」で動作させる「実証実験として、データ収集」のために行うというのです。

 また、中国の李克強首相はドイツを訪問中の7月10日に、「自動運転車に関する協力合意」に調印するとともに、メルケル首相とともに「自動運転展示イベント」に出席し、「自動運転に関する都市交通管理のビッグデータ研究」などで、「よりオープンな姿勢での協力」を進めると言明しました。



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