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「花の乱」で悪女富子を演じた三田佳子が語る応仁の乱の魅力

連載「大河ドラマ誕生55周年の秘話」

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三田佳子 (c)朝日新聞社

三田佳子 (c)朝日新聞社

 昨年、呉座勇一著「応仁の乱-戦国時代を生んだ大乱」(中央公論新書)が実売40万部(現時点47万5千部)を越え、出版界の大きな話題になった。

 あまり顧みられることがない室町時代と応仁の乱をテーマにした新書が、なぜこれほどまでに読者に支持されたのか?

「日本史上の大トピックとされていながらも、全体像を捉え難い『応仁の乱』。そんな題材を既成史観の図式に頼ることなく、絶妙なバランス感覚で丁寧に整理した新書がヒットしている。NHK大河ドラマの歴代最低視聴率記録を長年保持していた『花の乱』を始め、『応仁の乱』を扱ったものに成功例は少ないので、異例の現象だ」(前田久/週刊文春 2017.3.2号)など、多くの出版メディアが賛辞と驚嘆に満ちたレビューを掲載、38歳の若き歴史学者・呉座勇一は一躍時の人になった。

 大河ドラマで初めてその“応仁の乱”をとり上げたのが1994(平成6)年、第33作目の「花の乱」だ。“希代の悪女”と言われる日野富子が主人公。大河で女性が主人公となるのは「春日局」以来五年ぶりで、三田佳子が富子に扮し「いのち」に続いて主演した。

 同年4月3日初回、12月11日最終回で、全37話。「琉球の風」「炎立つ」と同様に変則的なローテーションで、まだ“島桂次騒動”の余熱が冷めやらぬなかでの制作となった。

 脚本を担当したのは1978年「黄金の日日」、84年「山河燃ゆ」に次いで大河登場三回目となる故・市川森一。市川は室町時代を選んだ理由を次のように語っている。

 「ひとつは、大河ドラマでまだ室町をやっていないこと。もうひとつは、室町を中心とした町衆の力が強くなって流通経済の基礎ができ始めるその一方で、幽玄の世界、世阿弥を中心にした能狂言などの文化が同居していた社会であること」のふたつを挙げ、「現代との共通点は“混沌”としているところ」だと言う。

 タイトルの「花の乱」は、将軍の邸宅だった“花の御所”と“応仁の乱”から、“花”と“乱”を取って命名した。



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