取材の途中も、観光客らしき外国人やカップル、家族連れらが、興味深そうに店をのぞいていく。埼玉県から訪れたという30代の女性は、アニマルの顔が大きくプリントされたTシャツとポンチョを購入した。女性は「トラやライオン、ヘビが好きですね。関東では顔がプリントされた服がなかなか見つからなかったので、買えてうれしいです。迫力があっていい」と興奮気味に語った。

 高橋さんに新年の飲み会やパーティーといった華やかな集まりにぴったりなアニマル服や小物をチョイスしてもらった。まずは、大きなトラの顔が入ったラメ入りポンチョ。「これ一つ持ってたら華やかになるんちがいますか」(高橋さん)。ヒョウ柄のハーレムパンツもおすすめだという。

 そして、この冬一番のおすすめが、ヒョウ柄の下着入れだ。二つのこぶがあるバッグは、ワイヤーが崩れないようにブラジャーが入れられる。持つだけで、周りがドキドキすること間違いなし。高橋さんは「もてるあなたにおすすめ。このまま持ってもおしゃれですし、カイロやたい焼きを挟んでおいて、出てきてもおもしろいですね」とひょうひょうと語る。

 そんな高橋さんの息子、輝明さんはモード好きだ。自身のブランド「TERUAKI TAKAHASHI」は、黒を基調としたモノトーンの服が多い。一見、親子の好みは違うようだが、「思い込んだら一直線。やるなら中途半端にせずにいってしまいたい」(輝明さん)という共通点も垣間見える。

 輝明さんは、なにわ小町の服を使った着こなしも提案する。「若い子が着られるようなものを」と考えたヒョウ柄のコーディネートは、シュッとしていて魅力的だ。高橋さんは「悔しいんですよ。かっこよくて」と息子のセンスに舌を巻く。

 輝明さんは「実はヒョウ柄も好きなんです。自分のブランドでも、かっこいいヒョウ柄、爆発的なヒョウ柄の服を作ってみたい、という思いもあります」と、創作意欲をのぞかせる。

 Tシャツに大きくプリントされたトラやヒョウを見ているうちに、なんだかほしくなってきた。これがアニマル柄の魅力、もとい魔力なのか。新しい年になったことだし、挑戦してみてもよさそうだ。(ライター・南文枝)