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確実視されるイチローがどれだけ凄いのか…米野球殿堂入りの険しい道

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杉浦大介dot.
殿堂入りが確実視されているイチロー(写真:Getty images)

殿堂入りが確実視されているイチロー(写真:Getty images)

 米国で野球人にとって最高の名誉とは――。チームとしての栄冠はワールドシリーズ制覇だが、個人としては米野球殿堂入りに違いない。優れた成績を残しただけでなく、ベースボールの発展に貢献した偉大な人物が認められる場。MLB選手にとってもこれ以上の栄誉は存在せず、毎年7月にニューヨーク州で行われる殿堂入りセレモニーは大変な盛り上がりを見せる。

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 一般的には打者は3000本安打、500本塁打、投手の場合は300勝といった数字が殿堂入りの目安とされる。この成績が絶対条件ということではなく、基準はポジション、時代背景などによっても変わってくる。そして、それぞれの時代でいかに支配的な活躍を見せたかが重点的に考慮されている感がある。

 例えば、サンディ・コーファックスは通算165勝に過ぎないが、全盛期には投手3冠(1シーズンに最多勝、最優秀防御率、最多奪三振をすべて達成)を3度も成し遂げた。それほどの圧倒的な成績を叩き出したがゆえに、ピークは短くとも、1972年に史上最年少の36歳で殿堂入りを果たしている。

 また、通算219勝に過ぎなくとも、打者圧倒的有利のいわゆる“ステロイド時代”に現役生活を送ったペドロ・マルチネスもコーファックスの系譜だろう。ピーク時の1997-2003年にかけては7年間で6度も防御率2.40以下をマークしたペドロは、資格獲得1年目の2015年に文句なしで殿堂入りを決めた。

 一方、たとえ長い現役生活で優れた数字を叩き出しても、“支配力”に欠けた選手にとって殿堂入りは簡単ではない。最も有名な例は足掛け18年のメジャーキャリアで通算254勝を挙げながら、ついに殿堂入りを果たせなかったジャック・モリスだろう。2度の最多勝も獲得したモリスだが、サイ・ヤング賞受賞経験、防御率3点以下のシーズンはゼロ。おかげで殿堂入りに必要な75%の得票を果たせず(最高でも67.7%)、2014年に資格を喪失してしまった。

 そのほか、20年のキャリアで遊撃手としてオールスター6度、ゴールドグラブ4度も獲得したアラン・トランメル、21年間で8度もオールスターに選ばれ、“史上最高の捕手のひとり”と評されたテッド・シモンズは、それぞれ負担の大きいポジションながらついに殿堂入りできなかった。また、オールスター6度、ゴールドグラブ9度、MVP1度という輝かしい成績を残しながら、ケガで短命に終わったドン・マッティングリーは、短いピークのインパクトが十分でなかったがゆえに殿堂に手が届かなかったケースとして挙げられる。


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