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低迷するフジテレビに新鉱脈 殺人ドキュメンタリーで高視聴率の裏側

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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フジテレビ (c)朝日新聞社

フジテレビ (c)朝日新聞社

 フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』が大きな反響を巻き起こしている。10月15・22日に2週にわたって放送された「人殺しの息子と呼ばれて…」という企画だ。ここでは、日本中を震撼させた「北九州連続監禁殺人事件」の犯人の息子が初めてテレビの取材に応じ、インタビューに答えていた。15日に前編が放送されるとネット上で話題が広がり、22日の後編は「10.0%」という異例の高視聴率を叩き出した。

 北九州連続監禁殺人事件とは、ある夫婦が被害者一家を暴力と脅迫で洗脳して、互いを殺し合わせて7人の死者を出した日本の犯罪史に残る凶悪事件である。

 番組に出演したのは、事件当時10歳だった犯人夫婦の息子。彼は実の父と母の監視下に置かれ、電気を流されるなどの激しい虐待を受けていた。母親に包丁で背中を刺されたこともあった。事件が発覚すると犯人夫婦は逮捕され、息子は養護施設に預けられた。

 学校では同級生に両親がいないことをからかわれて、思わず逆上して椅子を投げつけたこともあった。身寄りのいない彼の孤独はますます深まるばかりだった。16歳のときに養護施設を出て仕事を探し始めた。仕事はなかなか見つからず、職を転々とするようになった。

 彼は、服役中の母親に20回以上も面会していた。母親に謝られるたびに、何とも言えないいらだちを感じていた。母親から「私が死ねばいい?」と尋ねられ、「苦しんで生きろ」と答えたこともあった。のちに死刑となった父親との面会では、最後まで謝罪の言葉を聞くことはできなかった。殺人犯の息子として世間の荒波に揉まれてきた彼は、現在、ひとつの希望を手にしている。それは後編の最後のパートで語られていた。

 日本のテレビ局の中で、この手の硬派なドキュメンタリー番組に定評があるのは、やはりNHKである。NHKでは、1本のドキュメンタリー番組に費やされる制作費が民放よりもはるかに多い。日本各地に支局があり、それらと連携して取材に大量のスタッフを動員することもできる。長期にわたる密着ロケなどを行うことも可能だ。


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