野党第一党だった民進党が分裂し、小池百合子、前原誠司両氏が主導した「希望の党」合流組と、枝野幸男氏らリベラル派が立ち上げた「立憲民主党」組に分かれた。SEALDsにかつて所属した諏訪原健さんが小池新党ではなく、枝野新党を支持する理由とは?
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10月22日にいよいよ総選挙が行われる。森友・加計学園疑惑を隠蔽する狙いがあるとしか思えないタイミングで、解散を断行した安倍晋三首相には多くの批判が集まっている。
突然の解散は、思いもよらぬ政界再編の動きにつながった。9月28日午後、民進党は両院議員総会で、小池氏率いる希望の党と合流する方針を決定した。しかし、その後の小池氏による「リベラル排除」発言を受け、無所属での立候補を表明する候補者が相次ぎ、状況はさらに流動的になっている。
そんな中で2日夕方、枝野氏が立憲民主党の結成を宣言した。枝野氏の記者会見の中で特に印象的だったことが二つある。一つはボトムアップ型のリーダーシップが強調されていたこと。もう一つは自らの理念や政策を貫く強い決意を示していたことだ。
一つ目の点については、安倍政権の暴走を止めた後にどうするのかという話の中で語られていた。枝野氏は上からのリーダーシップや民主主義、あるいは経済政策には限界が来ているという現状認識を示した上で、自らはボトムアップ型のリーダーシップや民主主義、社会・経済のあり方を目指していくと述べた。人々の間から湧いてきた「枝野立て」という言葉に後押しされて、新党を結成するに至った枝野氏が「ボトムアップ型のリーダーシップ」と語ることには非常に説得力がある。また、立憲民主党としての具体的な政策はこれから参加してくるメンバーと一緒に決定したいと述べていたことや、多様な市民と連携して戦っていく意志を示したことからも、「ボトムアップ型のリーダーシップ」を現実のものにしていこうという思いが読み取れる。