そんな小池氏も、民進党議員の離脱が相次いだり、連合からの組織的な支援が受けられなかったりという状況を踏まえて、本気で政権交代を目指すことは諦めたように見える。政権をとれないとなった時、彼女が自らの影響力を高めようと考えたら、どのような手段に出るだろうか。自公政権と手を組むことで、政治を動かすというシナリオも十分にあり得るのではないか。

 安倍政権への失望から希望の党に投票した有権者からすれば、それは裏切りになるだろうが、彼女はきっとそんなことは気にしないだろう。何といっても「前原氏を騙したのか」という問いに、「ふふふ」と不敵な笑みを浮かべて答えるような人物なのだから。

 報道を概観すると、今回の選挙の構図は「三つ巴」の戦いだと言われている。しかし選挙の後のことも考えたとき、あるいは「上からの政治」か「下からの政治」という対立軸を想定したとき、選挙の構図は「自公・希望・維新」対「立憲民主・社民・共産その他」という形になるのではないだろうか。

 私自身は、国民の側から出発する、ボトムアップ型の政治に期待したいと思う。さらに言えば、政治を変えてくれるのではないかと期待するだけでなく、草の根から政治を変えようという動きに参加したい。信念を曲げない、ボトムアップ型のリーダーシップの政治には、私たちの力を生かす道が開かれているはずだ。どうせならその道に賭けたい。(諏訪原健)

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諏訪原健

諏訪原健

諏訪原健(すわはら・たけし)/1992年、鹿児島県鹿屋市出身。筑波大学教育学類を経て、現在は筑波大学大学院人間総合科学研究科に在籍。専攻は教育社会学。2014年、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)に参加したことをきっかけに政治的な活動に関わるようになる。2015年にはSEALDsのメンバーとして活動した

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