小池さんがほかの知事と違うのは、オリンピックを抱えている点にあるわけです。これは世界的にも、相当でかいと思う。小池さんが安倍さんにくっついて上手くやっていって、安倍さんが途中で辞めることになったら、「小池を総理に」っていう世の中の機運も高まってくると思うんですよね。ずっと都知事をやってて、希望の党もある程度の票は持っていて、いざ選挙となったら、そこで立候補する。小池さんはそこまで全部考えてやってると思うんですよ。小池さんが欲しいのは単純に総理大臣のイス。都知事選のときも、都議選のときもそこしか考えていなかったと思う。

 僕を含め周りはずっとそう言ってたけど、本人は一言も言わないで隠してきた。深く考えずに票を入れた、こっちも悪いんだけど。それ見たことかと僕は思ってるわけですよ、言ったろあれだけ!って。時既に遅くて、結局うまい具合に小池さんに転がされちゃってる。出馬しないって言っているけど、今回、都知事の座を投げ出して出馬したら、都のことなんて一つも考えていない証拠になっちゃいますからね。

 まあ国民の7割、8割は政局なんてわかんないし、日々の暮らしで精一杯だから、流れとか機運を掴んじゃえば票が取れるんですよね。選挙って昔からそういうものでしょ。2割のインテリ票はほっといていい。まんまとやられてると思いますけどね。

 マスコミとか政治評論家は、理路整然と「選挙は政策だ」って当たり前のことを言っていますけど、結局、政策論が盛り上がった選挙なんていままで一度もないですよ。都議選もそうだったし、国政選挙もそう。難しいんだよ、政策は。そんなんで票なんて動かない。流れで動くんだから。でも政治家がそれを言っちゃうと「国民をバカにしてるのか!」って言われちゃう。でも、政治家って腹の中ではそう思ってるんですよ。

 政治って実はものすごく簡単で、芸能界のスキャンダルと構図は一緒なんですよね。どこの事務所が強くて、どこが弱いか。誰と誰が同期で、あの人がある女優と不倫しちゃって……とか。誰が大臣になるかは、誰が番組持つかと同じ。権力争いですから、構図は似てるんですよ。選挙のたびにそう思いますけど、今回は特にそれが色濃く出てる感じしますよね。

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