シュタイナー教育はオーストリア生まれの思想家ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)の理念に基づいた教育手法です。知性と感情と意志をバランスよく育むことで、未来を切り拓く力を養う「自由への教育」とも呼ばれます。20世紀初めに最初のシュタイナー学校(自由ヴァルドルフ学校)がドイツに生まれて以来、文化と宗教を超えて世界の80カ国1100校に拡がり続ける世界最大(宗教系スクールを除く)の教育機関です。近年では中国で50校以上の開校ラッシュで、シリコンバレーでも著名人を多く輩出する人気校として有名です。

 サドベリースクールは米国ボストンの「サドベリーバレー・スクール」の教育方針に基づいて運営され、日本に10校以上存在します。これらの学校は、「デモクラティックスクール」とも呼ばれ、スクールスタッフと生徒(メンバー)により民主的に運営されています。デモクラティックスクールの最大の特徴は、生徒を指導する教員がいないこと。また、カリキュラムも一切なく、スタッフが見守る安全・安心な環境の中で、生徒たちは自分の好きなことをやって過ごしています。

 価値観が多様化している昨今、与えられた課題をこなすだけの人材ではなく、ゼロから一を生み出す創造力と感性が必要とされる時代になりつつあります。個性を尊重し、体を動かしながら学ぶ体験型学習が多いオルタナティブ教育に改めて注目が集まるのも当然のことと言えるでしょう。

 しかし、注意しなければならないのは、オルタナティブ教育を行う多くの学校が「学校教育法一条」で定められたいわゆる「一条校」でないため、卒業資格が得られないこと、小・中学校はあっても高校まである学校が少なく、一貫した教育を受けられる体制が整っていないこと、などが挙げられます。

 とはいえ、「一条校」に在籍していなくても、わが子の進路が狭まるわけではありません。もし、日本の公教育に疑問を持っていたり、わが子の可能性をできるだけ広げたい、と思っているのであれば、一度「オルタナティブ教育」に触れてみるのもいいかもしれません。

 武蔵野大学の有明キャンパスで8月26日(土)・27日(日)に行われる日本最大級の教育イベント「未来の先生展2017」では、さまざまなオルタナティブ教育の体験ができるそう。親子で足を運んでみてはいかがでしょうか。