もちろん、現在の状態が100パーセントなわけではない。長谷部もそれは認めている。

「試合に出ている以上は……、痛みがあるとか言いたくはないんですけど、ひざの感覚や自分のコンディションは、まだ60、70%という感じが自分のなかにはあります」

 ただ、ブラジルワールドカップの前にけがをしたときにも本大会ではきちんとピッチに立ったし、2009年にウォルフスブルクで優勝したときにも左ひざの遊離軟骨を取り除く手術を経て優勝の行方を決める最後の2試合で活躍した。そうした経験は、ロシアワールドカップ出場をかけた大一番に向けたこのタイミングでもきっと生きてくるはずだ。(文・ミムラユウスケ)