日本の他に、キューバ、中国、オーストラリアの4チームで争われる1次ラウンドは、総当たりのリーグ戦の末に上位2チームが2次ラウンドに進出する。多くの選手が亡命して迫力不足のキューバだが、デスパイネ、セペダのベテラン大砲には依然として警戒が必要で、サントス、セスペデス、メサの外野手陣は抜群のスピードを誇る。まだまだ野球途上国である中国も、前回大会では日本と2対5と僅差の戦いを演じた。そして米マイナー所属の選手を中心に構成されるオーストラリアには勝負強さがあり、南半球のオーストラリアリーグがシーズンを終了したばかりでシーズン中の調子を維持してWBCに臨めるというアドバンテージもある。10試合でも行えば、必ず日本が勝ち越すことのできるチームばかりだが、一発勝負となれば途端に分からなくなる。

 小久保監督は力を込める。「キューバとの試合が1番のポイントになってくる。開幕戦の独特の緊張感もあるので、厳しい戦いになる。何とかいいスタートを切りたい。いいスタートを切れれば乗って行けるんじゃないかと思う」。プレミア12の敗戦から、昨年末の強化試合、そして今年の実戦5試合で不安定な戦いを繰り返し、“史上最弱”とも揶揄される小久保ジャパン。同じように史上最弱と呼ばれた隣国・韓国は、伏兵のイスラエルに初戦黒星スタートとなった。手綱を締め直し、批判を結束に変えることができるか。1次ラウンドの大本命が日本であることに違いはない。まずは、勢いを掴みたい。