復帰後好調を維持する石川遼。(写真:Getty Images)
復帰後好調を維持する石川遼。(写真:Getty Images)

 故障から復帰後の石川遼が好調だ。

 8月末の国内ツアー、RIZAP KBCオーガスタで5打差圧勝を飾ると、翌週のフジサンケイクラシックで2位タイ。そしてホストプロとして挑んだANAオープンではトップに2打差の単独3位と、完全復活を印象づける活躍を見せている。

 今年2月に腰を痛めPGAツアーを離脱してから治療とリハビリに専念してきた石川。7月の日本プロゴルフ選手権では77、79と振るわず予選落ちしたが、一ヶ月ぶりの参戦でいきなり他を寄せ付けない強さを見せてくれた。本人も「100%怖がらずに打てるようになった」としっかりスイングしても腰に痛みが出ないと確認できたことで、安堵するとともに、自信を取り戻したのではないだろうか。

 長期欠場していた石川だが、昨年からの成績を見ると国内では相変わらずの強さが際立っている。先に述べたように、最近出場した3試合では全てトップ3に入ったが、昨年も終盤のカシオワールドオープンを単独2位でフィニッシュすると、最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップでは2日目からトップを守りメジャー制覇を成し遂げた。この他、ANAオープンでも優勝しており、国内における石川の強さは頭一つ抜けているようだ。

 これを国内ツアーのレベルが低いからと片付けるのは簡単。だが、故障で長期欠場を余儀なくされ実戦から離れていた選手が、いきなりプレーして優勝できるほど甘いものでもないだろう。そういう点では、出場した3試合で白星を含め全て優勝争いを演じた今の石川は、故障前のレベルに復活したと言えるのではないだろうか。

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