では、石川が復帰後にいきなり好成績を挙げている要因はどこにあるのか。それは石川のスイング、そしてクラブに対する意識改革だろう。

 故障前の石川は、手先ではなく体で重い球を打とうとドライバーで90g台のシャフトを使ってきた。PGAツアーでは60、70g台のシャフトが主流になっているが、そんな中で石川が使っていたドライバーシャフトはかなりの重量級。確かに重いシャフトは体幹でスイングしやすく強い球も出しやすいだろうが、軽めのシャフトに比べれば体の負担が増すことは容易に想像できる。飛ばし屋のダスティン・ジョンソン(米)ですら60g台のシャフトなのに、ツアーの中では小柄な石川が90g台を使っていたのでは、体が悲鳴を挙げるのは当然の結果だったのだ。

 それが、復活優勝したRIZAP KBCオーガスタではTOUR AD TP 6Xを装着したキャロウェイゴルフのXR16 SUB ZEROドライバーを使用していた。このシャフトはメーカーのスペック表によると重さ67g。アイアンもN.S. PRO MODUS3 SYSTEM3+PROTOTYPEシャフトに変更しており、ややスペックダウンしたセッティングで試合に臨んでいた。

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