「2~6歳の言語習得の黄金期とされる時期に、大量のインプットとアウトプットを日々繰り返すことで、一生ものの英語耳ができます。口の筋肉も幼い時にできあがるので、マスターした発音は大人になっても残り続けます」

 と、バイリンガルである谷口園子先生は言う。

 子どもたちの英語力はどの程度なのだろうか。KDI事務局によれば、16年1~2月に実施された英検では、年長クラスから準2級(高校中級程度)に5人、3級(中学卒業程度)に14人が合格。さらに4級で16人、5級で22人の合格者を出している。

 KDIが注力するのは英語だけではない。卒園時までに小学3年生レベルの算数力、国語力、運動能力の習得を目標とし、日本語、知能教育、スポーツ指導、音楽などにも同様に重点を置く。カリキュラムの50%をネイティブの先生が英語で行い、50%を日本人の先生が日本語で教える。真の国際人を育てるには、日本人としてのアイデンティティーや、日本を知ることが不可欠との考えからだ。

 長女と長男を入園させた横浜市在住の女性(37歳)は「園では英語に多くの時間を割くが、日本語力はまったく落ちていない」と話す。まもなく2歳になる次女も、同園に入れることを決めているという。

「ネイティブになってほしいのではなく、英語を壁と感じないようになってもらいたい。自分の考えをしっかり持ち、英語でも日本語でも伝えられる人になってほしいです。プレゼンテーションの授業も将来、必ず役に立つでしょう」

 同園では、卒園児の約6割が私立・国立小学校を受験。バイリンガル教育に注力する小学校を選ぶ親も多いそうだ。

 人気を集めるバイリンガル幼児園。世界を舞台に活躍する人材が、子どもたちの中から現れるかもしれない。(文・上田千春)

※「英語に強くなる小学校選び2017」より抜粋