2013年に行われたフェアリージャパンのトークイベントでは自然体な語り口で受け答えをし、さらには自然体になりすぎて、質疑応答のさなかに思い出し笑いが止まらなくなるなど、かわいらしい一面をみせていた。

 そのイベントで印象的だったのは、他のメンバーを紹介するときに、杉本早裕吏のことを「年下だけどお母さんみたい。いろいろと気がきいて注意してくれる。食事のときも、『野菜が少ないんじゃない』とか世話してくれる」と言っていたことだ。年下ながらそれを指摘できる杉本もすごいが、それを年長者ながら笑って受け入れる畠山にも、おおらかな印象を受けた。

 リオ五輪では、予選を5位で通過したため多くの報道陣が詰めかけ、監督が「練習ができない」と激怒したなか、畠山だけは笑顔でマスコミ対応を続けていたという。予選後には「決勝ではスカートが吹っ飛ぶくらい踊りたい」とマスコミ受けしそうな発言するなど、サービス精神もみせた。

 実は畠山がフェアリージャパンに選ばれた当初、飛びぬけて能力が高いというわけではなかった彼女に対して、周囲からは必ずしも好意的な意見ばかりではなかった。しかしそれでも、畠山の練習に対する姿勢などを見ていくうちに、彼女に対して多くの人が「素直で明るくていい子だ」という印象を抱くようになったという。そう周りに思わせる力が、彼女にはあるようだ。

 確かに、畠山の常にニコニコと笑顔を絶やさず、素直で明るい性格は多くの人に受け入れられそうだ。それだけに、メディア、とりわけテレビでの活躍を期待してしまう。現在、元体操女子日本代表の田中理恵がメインになっている体操関係のリポートはもちろんだが、あの華やかな笑顔と天真爛漫な性格は、他のスポーツの現場でも歓迎されるのではないだろうか。

 「ポスト田中理恵」……あるいはそれ以上のポテンシャルを秘めているかもしれない畠山愛理。その今後に、ぜひとも注目したい。(文・横田 泉)