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苦しみ抜いた福原愛 石川、伊藤と掴んだ銅メダルの“意味”

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ロンドン五輪に続き、2大会連続でメダルを獲得した卓球女子団体チーム。(写真:Getty Images)

ロンドン五輪に続き、2大会連続でメダルを獲得した卓球女子団体チーム。(写真:Getty Images)

 福原にとって、メダルのかかった、シンガポールとの3位決定戦でも試練は続いた。チームにいい流れを作るため、大事な第1試合。これまで勝ち越していたユー・モンユーに対し、1ゲーム目を9連続ポイントなどで先取しながら、フルゲームの末に落とした。それでも、第2試合のダブルスでは伊藤のミスをカバーし、相手に1ゲームを譲ったのみで勝利する。その気迫に応えるように、石川と伊藤もそれぞれシングルスで奮起し、相手チームのエースをストレートで下して、見事に銅メダルをもぎ取った。

 すべての試合が終わった後、こらえきれない涙を流す福原は、「本当に苦しい五輪でした」と激戦を振り返った。だが、その胸には、ずっしりと重い銅メダルがかかっていた。色こそ、前回大会に及ばないが、度重なる体の故障とそれに伴う戦線離脱を乗り越えた4年間の苦労と努力の詰まった重みのあるメダルだ。チーム一丸となって勝ち取った誇りもロンドン以上に大きい。

 一方、石川の踏ん張りも見事だった。シングルス初戦敗退の悔しさも彼女の闘志を駆り立てたのだろう。チームの窮地を何度となく救うエースは、頼もしいの一言に尽きた。また、五輪初出場とは思えない伊藤の強気なプレーも随所に光った。台上で繰り出される強烈なスマッシュやカウンターは会場を魅了していた。

 12時間の時差をこえて日本を沸かせた3人娘。2大会連続メダルの快挙もさることながら、三人三様の個性が光る、人々の記憶に残るメンバーだったといえるだろう。今大会で実現できなかった王者中国とのチーム対決は、2020年東京五輪の楽しみに取っておくこととしよう。(文・高樹ミナ)


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