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「USS-1グランプリ」のUSSって何? なぜ岩崎宏美さん? 初の“全国そうめんサミット”

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by 南文枝 (更新 )

「夏でも冬でも一年中そうめんを食べています」と話す岩崎さん(右端)

「夏でも冬でも一年中そうめんを食べています」と話す岩崎さん(右端)

長さ30メートルのといを使った流しそうめんに挑む

長さ30メートルのといを使った流しそうめんに挑む

イベント当日は初夏の日差しが照り付け、絶好の「そうめん日和」。多くの人でにぎわった

イベント当日は初夏の日差しが照り付け、絶好の「そうめん日和」。多くの人でにぎわった

兵庫県乾麺協同組合のキャラクター、「そうちゃん」(右から2体目)と「めんちゃん」(同3体目)も駆けつけた

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全国各地のご当地麺が集まる「USS-1」グランプリも開催。小豆島そうめんをバンズにした「島の光バーガー」はなかなかの人気だった

全国各地のご当地麺が集まる「USS-1」グランプリも開催。小豆島そうめんをバンズにした「島の光バーガー」はなかなかの人気だった

 2016年5月22日、地元出身で童謡「赤とんぼ」の作詞者、三木露風にちなんで名付けられた兵庫県たつの市の赤とんぼ文化ホール内。ホールの席はチケットを手にした人で埋まっている。前方には、「I(ハートマーク)宏美」と書かれたおそろいのTシャツと黄色い鉢巻き姿の人たちが、ペンライトを手に今か今かと待ち構えている。

 やがてホール内が暗転すると、客席から歓声が上がった。舞台の中央に現れたのは、薄いピンクのドレスを着た歌手、岩崎宏美さんだ。はにかんだ顔がかわいらしい。デビューした1975年にリリースされ、大ヒットした曲「ロマンス」を歌い上げる。親衛隊の掛け声に合わせ、ピンクのペンライトが揺れる。50代となっても、その伸びやかな歌声は健在だった。

 夏といえばそうめん。それなのに、なんだか地味なイメージがぬぐえない。そんなそうめんを主役に据え、一緒に乾めんの魅力をもPRしてしまおうという「全国そうめんサミット」が、2016年5月21、22の両日、そうめんブランド「揖保乃糸」の一大産地であるたつの市で開かれた。

 サミット最終日の22日に開催されたのが、冒頭の岩崎宏美トーク&歌謡ショーだ。なぜ岩崎さんなのか。それはひとえに、「揖保乃糸」のCMソングを歌っているからだ。これまでに「時の針」「歌になりたい」「光の軌跡」を提供し、現在は童謡「ふるさと」をカバーしている。ロマンスに続けてふるさとを含む童謡メドレー、光の軌跡を披露した。

 この日は楽屋でそうめんを食べたという岩崎さん。その魅力を「食欲がない時でも食べられること」と言う。「私はまず食欲が落ちるタイプではありませんが」とおちゃめなコメントも忘れない。1年を通じてそうめんを食べており、夫がバジルなどを載せた「そうめんピザ」を作ってくれたこともあるという。

 サミットの実行委員長で兵庫県手延素麺協同組合の理事長、井上猛さんは、デビュー当時からのファン。あこがれの岩崎さんを前に笑みを絶やさず、「声は若い時そのもの」と手放しでたたえた。

 全国そうめんサミットは、そうめんをはじめとした乾めんの魅力をアピールしようと、製麺業が盛んな全国13自治体、76社が集い、今年初めて開催された。近年は、ゆがくのに手間がかかる乾めん離れが進み、一説によると、そうめんを知らない若者もいるという。サミットには、元気がない乾めん業界の起爆剤にしたい、という狙いがあるのだ。

 そし、今回のサミットの目玉が、うどん(U)、そば(S)、そうめん(S)の頭文字をとった乾めんの祭典「USS-1グランプリ」。全国35団体が提供する60種類以上の乾めんメニューが食べられるというイベントなのだが、ほとんどが1品200円という安さ。1000円分のチケットを買い、回ってみた。

 まずは、小豆島手延素麺協同組合の「島の光バーガー」を注文。小豆島そうめんをバンズにし、ハンバーグやレタスを挟んだ珍しいハンバーガーだ。食べてみると、そうめんを使っているからかあっさりしている。鹿児島市から来たという40代女性は「ふわふわとした、ライスバーガーみたいな食感。しつこくなく、飲み物がなくても食べられそう」と話した。

 次は地元の森口製粉製麺の「カレー麺」。カレー粉を練り込んだ生地と白いうどん生地を張り合わせた二層仕立てのめんが売りだという。 この日は「ほぼコロッケの中身」だというつぶしたジャガイモにミンチ、タマネギをあえたものと、アスパラガスがトッピングされていた。はしでかき混ぜて食べると、こってりとした見た目やにおいに反して、あっさり。サラサラと食べられた。

 変わりめんのおいしさに気をよくし、五色そうめん森川(愛媛県東温市)のうんしゅうみかんを使ったそうめん、「しらすdeみきゃん」にもトライ。ほのかに甘酸っぱいめんとシラス、削りかまぼこが絶妙なコラボレーションを醸し出す。続いて地元、イトメンの「そうめんドーナツ」を楽しみ、最後は兵庫県手延素麺協同組合の「ヘルシーサラダそうめん」でさっぱりと締めくくった。

 他には、レインボー(7色)のめんを30メートルのといで流すという「レインボー乾めん流し」や、急勾配のといを伝ってくるめんをキャッチする「乾めん落とし」、そうめん早食い競争と、子どもも楽しめるイベントも盛りだくさんだ。乾めん流しでは、参加者たちが「めっちゃ難しい」「次々来るから水切られへん」とやいやい言いながらも楽しんでいた。

 実行委によると、2日間で4万5000人が訪れたという。第2回 は、「三輪そうめん」で有名な奈良県桜井市に会場を移して行われることが決まっている。地味さゆえなのか、奇抜なアレンジにも対応でき、レジャーにもなるというそうめんの底力を感じた。

(ライター・南文枝)

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