言葉は悪いが、昔から「結婚して実家を出て行く」ことを「片付く」と言っていた。この言葉が、「ひな人形を片付けない」=「片付かない」と連想されることから、「行き遅れる」と言われてきたのだろう。私も子どもの頃から、ひな人形を出す、出さないで母親とケンカばかりしていた。急いで片付けをするため、夜中までかかる作業が嫌で、いっそのこと出さないでほしかったのだ…。

 今にしてみればバチが当たっている。

 その時、今と同様の知識があれば私は最強のツキを手に入れられていたのだが、この良縁に恵まれるという、ひな人形の飾り付けと片付け方について伝授しておこう。

 まず、飾り付けは2月中旬ころがよいと言われている。中でも「雨水」(二十四節気という暦を24に分けたうちのひとつ。何かを始めるのに適した日と言われている)の日に出してあげるのがベスト。

 そして片付けは「啓蟄」(二十四節気では「雨水」の次。2016年は3月5日にあたる)までに終わらせるのがよい。「啓蟄」というのは、冬眠していた虫などが這い出してくることを言う。つまりこの日を過ぎると"いろんなものが"這い出してくるのでよくない、ということである。だが、どうしてもこの日までに片付けが難しい時には、飾っているひな人形を後ろ向きにしてあげるとよいらしい。これで人形は"眠ったこと"になるのだそうだ。

 ちなみに、男(お)びなと女(め)びなの並びは関西と関東では違っている。関西は左に男びな(向かって右)、関東は右に男びな(向かって左)である。

 理由は簡単。関西は和式、関東は洋式。

 古くは右大臣より左大臣の方が位の高かった日本と、「右に出るものはいない」という言葉で表される世界的な慣習の違いである。天皇皇后両陛下の並びは国際式にのっとって、天皇陛下が常に右である。

 さて、これでも「良縁」に恵まれない人のために、強力な「縁結び祈願」スポットを次稿で紹介してみたいと思う。(筆:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)

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鈴子

鈴子

昭和生まれのライター&編集者。神社仏閣とパワースポットに関するブログ「東京のパワースポットを歩く」(https://tokyopowerspot.com/blog/)が好評。著書に「怨霊退散! TOKYO最強パワースポットを歩く!東東京編/西東京編」(ファミマ・ドット・コム)、「開運ご利益東京・下町散歩 」(Gakken Mook)、「山手線と総武線で「金運」さんぽ!! 」「大江戸線で『縁結び』さんぽ!!」(いずれも新翠舎電子書籍)など。得意ジャンルはほかに欧米を中心とした海外テレビドラマ。ハワイ好き

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