ともに初マラソンとなる服部と一色は、仙台育英高校では先輩、後輩にあたる。今年の箱根では2区で直接対決し、服部に軍配があがっているが、ハーフマラソンのベストタイムでは一色が1時間02分09秒、服部が1時間03分37秒と一色がリードしている。近年、大学生が駅伝中心の練習になっていることがマラソンの低迷を招いていると指摘されることも多い。しかし、一色や服部のように2020年東京五輪を目標に掲げ、大学時代から積極的にマラソンに挑戦する選手も出てきているのは、日本のマラソンの未来にとっては明るい材料と言えそうだ。

 また、東京マラソンには、昨年の福岡国際5位の高田千春(JR東日本)、7位の大塚良軌(愛知製鋼)もエントリーしており、代表入りを決定づける成績を狙ってくるだろう。NY駅伝ではエントリーに名前があったものの出場を回避した出岐雄大(中国電力)も、青山学院大時代に出場したびわ湖毎日マラソンで、初マラソンながら2時間10分02秒という記録を出しており、侮れない存在だ。

 さらに、第87回、89回の箱根駅伝(11年、13年)を走ったガンドゥ・ベンジャミン(モンテローザ)、第82回~86回まで、4年連続で箱根に出場したメクボ・モグス(サンベルクス)など箱根駅伝ファンにとっては懐かしい名前もある。

 2016東京マラソンは、五輪を待ちわびるファンにとっても、駅伝ファンにとっても楽しめる大会となりそうだ。(ライター・椎名桂子)