◆今年の炎上ランキングトップは「異物混入」

 同社がまとめたジャンル別の2015年ネット炎上ランキングによると、食品への「異物混入」に関する炎上がトップとなった。2位は「安保法案関連」で、3位「オリンピック関連」、4位「情報漏えい」、5位「バイトテロ」と続いた。

「異物混入」については、14年末、即席めん「ペヤング」の購入者が「ゴキブリ出てきた」と画像付きでSNSに投稿し、製造会社が一時生産・販売停止に追い込まれたのが記憶に新しい。その流れを受けて15年も、ツイッターやフェイスブック上での異物混入の告発が増えた。

 同社によると、画像と一緒に拡散されるためインパクトが強く、より炎上しやすい。その一方で、投稿後に虚偽の告発であったことや自宅で自然に入ったものであることが別のユーザーらによって証明され、投稿者本人のSNSなどが炎上するケースも多かったという。

 2、3位は時事ニュースに対して過激な発言や事実として誤った発言を投稿した人が炎上に遭ったケースが目立った。特に「安保法案関連」は個人によって意見が分かれることから、ネット上で議論が白熱し、炎上につながる「議論型炎上」の特徴が見られたという。

「情報漏えい」は今年、国民1人ひとりに12桁の番号を割り振るマイナンバー制度が導入されたことから、より個人情報の管理に対する目が厳しくなった結果だという。大阪府堺市職員の不正個人情報持ち出しも、ネット上のサイトやブログで告発されて広がった。13年に各地で頻発した「バイトテロ」も、いまだ断続的に発生している状態だ。

 同社の担当者は、「SNSの利用者数が増加傾向にあることから、2016年の炎上件数も増えるだろう」と予測する。

 今や、リアルと同じく、それ以上に気を付ける必要があるインターネット上での発言。匿名での投稿だからといっても安心はできない。SNSやネット上での書き込みをやめるのが最大の安全対策なのだろう。筆者を含め、そうはいかない人も多いのだが、さて、どうするか。

(ライター・南文枝)