東京の元会社員が田舎で構えた“夢の家” 1万点以上の収拾品が博物館に (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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東京の元会社員が田舎で構えた“夢の家” 1万点以上の収拾品が博物館に

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南文枝dot.#旅行
ゴジラが大好きな後藤さん。30年以上かけてこつこつ集めたゴジラグッズの部屋もある

ゴジラが大好きな後藤さん。30年以上かけてこつこつ集めたゴジラグッズの部屋もある

もともとは芸術一家が住んでいたという思い出の記録博物館。オリジナルキャラクターの看板が目印だ

もともとは芸術一家が住んでいたという思い出の記録博物館。オリジナルキャラクターの看板が目印だ

鬼太郎グッズやサイン入り漫画本。細かいスペースも利用して展示した

鬼太郎グッズやサイン入り漫画本。細かいスペースも利用して展示した

「Dr.スランプ アラレちゃん」や「サザエさん」のセル画も

「Dr.スランプ アラレちゃん」や「サザエさん」のセル画も

イベントや懸賞などで集めた漫画家のサイン色紙は約40点に上

イベントや懸賞などで集めた漫画家のサイン色紙は約40点に上

 好きなアニメや漫画、映画、タレントグッズ、鉄道部品……人間はとかく何かを集めがちだ。だが、年月やお金をかけて収集したせっかくのお宝も、段ボールに入れられ、部屋の隅や押し入れに死蔵されていることの方が多いだろう。そんな趣味人にとっては夢のような空間を、東京から兵庫県朝来市に移住して実現させた男性がいる。

 朝来市生野町、かつて日本有数の産出量を誇った生野銀山近くにある「思い出の記録博物館(ミュージアム)」。ここは、東京で約30年会社勤めをしてきた後藤良史さん(56)が、市の空き家仲介制度「空き家バンク」で見つけた一軒家を改装し、2015年4月に開館した私設博物館だ。館内には、後藤さんが集めた特撮やアニメ、漫画グッズなど1万点以上が、所狭しと展示されている。

 後藤さんは兵庫県西宮市出身。小さなころから漫画や映画が好きで、中学・高校時代には自作の漫画を描いて製本したり、映画研究会を立ち上げて8ミリ映画を撮ったりしていた。美術短大時代は、ジャンルを問わず1年で250本以上の映画を鑑賞したという。

 映画にのめり込むうちに演じてみたくなり、短大を中退して松竹芸能の俳優養成所に。約5年所属し、大阪の舞台やお笑い芸人のコント、デパート屋上で行われるヒーローショーなどに出演した。「機動戦士ガンダム」のショーでガンダム役を演じたこともある。高さ約30センチの厚底ぐつをはいたような衣装のため歩きにくく、「子どもたちと握手する際は、転んで夢を壊さないように必死だった」という。

 その後、仲間たち数人と活動の拠点を東京に移したが、なかなか芽が出ず、広告代理店のデザイナーに転身。ペット販売専門店の広報を経て、印刷会社に就職した。その間も、特撮や映画のイベントやフリーマーケット、オークションなどで興味のあるグッズを集め続けたという。

 田舎で博物館をやろうと考えたのは、14年1月ごろに印刷会社を退職したことがきっかけだ。再就職先を探す中で地方の空き家バンクの存在を知り、夏ごろから地元関西で持ち主が売却、または賃貸を希望している空き家を探し始め、現在の家に出会った。

 和室が多く、落ち着いた家の雰囲気もさることながら、銀山や関連する観光スポットが近くにあり、スーパーなどもそこそこ充実しているところが気に入った。何度も家を訪れるうちに博物館への思いが高まり、家族と離れて暮らすことを決め、14年末、単身で引っ越してきたという。

 移住後の15年1~3月は、残してきた家族が住む東京の家から運び込んだ、自室の半分以上を占めていた段ボール箱を次々と開封し、各部屋に並べていった。現在は、特撮のソフビ(ソフトビニール人形)やアニメのフィギュア、セル画、漫画家のサイン色紙、サイン本、古い映画のパンフレットといったお宝の数々を、アニメ、映画、怪獣などのテーマごとに5部屋に分けて展示している。


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