人気の鋳鉄ホーロー鍋は同じように見えていろいろな違いがある
人気の鋳鉄ホーロー鍋は同じように見えていろいろな違いがある
サイズやカラー、種類が豊富なル・クルーゼ
サイズやカラー、種類が豊富なル・クルーゼ
パステルカラーが印象的なフランスのシャスール
パステルカラーが印象的なフランスのシャスール
黒マットエマイユ加工など実用性の高いストウブ
黒マットエマイユ加工など実用性の高いストウブ
日本の精密加工の技術が活かされているバーミキュラ
日本の精密加工の技術が活かされているバーミキュラ

 ちょっと高価だが、使い勝手やデザインも含めて人気のある鋳鉄ホーロー鍋。なかでも、ル・クルーゼ、シャスール、ストウブ、バーミキュラの人気が高く、鋳鉄ホーロー鍋の4大ブランドといえる。各製品の違いと、選び方を紹介しよう。

 鋳鉄ホーロー鍋は、分厚い鋳鉄にガラス質のエナメル(釉薬)を焼き付けてコーティングしたもので、腐食しにくく、保温性、耐摩耗性が高く、においが移りにくいといった利点をもつ。鋳鉄の厚みは蓄熱性が高く、食材をじっくり煮込むのに向いている。他にも蒸したり、揚げたり、炒めたりとオールラウンドに使える点も人気の秘訣だ。

 なかでももっとも人気が高く、鋳鉄ホーロー鍋をイメージする代表的なブランドがル・クルーゼだ。創業90周年にもなるフランスの古参ブランドで、オレンジなどに代表される鮮やかで豊富なカラーが好評で、さまざまな形状の鍋とサイズのラインナップが用意されている。

 シャスールもフランスで1924年に創業したブランド。100%フランス製にこだわり、伝統と技術を駆使し手作りで仕上げている。歴史のある鋳鉄ホーロー鍋という点ではル・クルーゼと二分するブランドで、美しいパステルカラーが特徴的だ。

 ストウブは1974年にフランスの著名シェフの協力によって生まれたブランド。非常に重いフタによってしっかりと密閉され、フタの裏につけられた突起によって、蒸気がまんべんなく食材に降り注ぎ旨みや栄養素を逃がさない。ダッジオーブンのようながっしりとしたデザインと黒をベースにしたカラーで、男性に人気のあるブランドでもある。

 バーミキュラは日本のブランドで、0.01ミリ単位の精密な加工技術による高い密閉性が特徴。食材から出た蒸気や風味をとじこめる無水調理を可能にする。ホーローの技術も高く、外装にパールホーローなどを施した美しい色も人気の理由だ。

 この4ブランドの鍋のスペックを比較してみよう。22センチの丸形鍋で、重さと容量を比較する。

◎ル・クルーゼ:(重さ)3.5キロ、(容量)3.3リットル
◎シャスール:(重さ)4.1キロ、(容量)3.1リットル
◎ストウブ:(重さ)4.02キロ、(容量)2.6リットル
◎バーミキュラ:(重さ)4.2キロ、(容量)3.5リットル

 この中でもっとも軽量なのはル・クルーゼで、容量も中間で使いやすいサイズといえる。無水調理は可能だが密閉性は低い。シャスール、ストウブ、バーミキュラは重さがほぼ同じだが、ストウブは容量がだいぶ少ない。ストウブが他よりも少ない容量の割に重いのは、素材の厚みとフタの重さを示しており、蓄熱性と密閉性の高さを表す。

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