大山のぶ代さん、ドラえもんの記憶なくしても「もう一度声優をやりたい」 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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大山のぶ代さん、ドラえもんの記憶なくしても「もう一度声優をやりたい」

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妻・大山のぶ代さんの病状を語る俳優の砂川啓介

妻・大山のぶ代さんの病状を語る俳優の砂川啓介

 認知症を患っていることを公表した声優で女優の大山のぶ代さん(81)。夫で俳優の砂川啓介(78)が5月15日、都内ホテルで会見を行い、2年前からの発症を隠していたことについて「彼女のイメージを壊したくなかった」と本音を洩らし、現在の病状について苦しい胸の内を明かした。

「いま喋ったことを覚えてないということが最近多くなってきていて、感情の起伏がもの凄く激しかったりしてましてね。(声優の)記憶もあんまりないみたいですね。ただ、いま放送しているドラえもんが流れていれば、普通には見てます」

 2008年に脳梗塞で倒れた大山は、1年間の休養をとってリハビリに励み、奇跡的に回復していた。09年、熱狂的な人気を誇るアニメ「ダンガンロンパ」の悪役のモノクマというキャラクターで、5年振りの声優業に返り咲く。同年4月に「徹子の部屋」(テレビ朝日・ABC系)に出演した際には「同じ病気の方に、あきらめないでと声をかけてあげたい」とエールを送り、夫の砂川も大山の回復を喜んでいた。ようやくふたりに訪れた平穏の日々だったが、13年に脳梗塞のリハビリに通っていた病院とは別の大学病院で、認知症だと診断された。

「脳梗塞の後遺症と認知症というのが、割合似てるんですよ。リハビリに行ってた川北病院の院長に『脳梗塞から認知症にスライドしていくことはあるのですか?』と聞いたら『それは絶対ありません』と言ってましたね。だから、余計にぼくは気づくのが遅かった。信じたくない、そんなことないという感覚がもの凄く強かった」

 37年連れ添った妻の認知症。知人や関係者に病状を聞かれる度に隠すことで疲れきっていた砂川は、2年前に胃がんを発症した。初期のため切除部分も小さく、術後は良好という砂川。最近は大山のために日々の食事の世話など献身的にサポートしている。

「料理してると『なんかやることない』と言うので『いいからあっち行ってて』と言っても、作るのを側で見てるんですよ。それ見てるとなんか、子供がいない分、幼い娘ができた感じがしますね。だからいとおしさは感じます。ぼく自身も優しくなってる。ここ1週間ぐらい顔色もよくなってるし、寝る前にぼくの部屋を訪ねて来て、あの声で『おはようございます』なんて来るから、『おはようじゃないよ、おやすみなさいだよ』なんて、にこにこしながらやってるから、もしかしたら少し戻ってるかなという期待感はあるんだけど」

 事務所担当によると、大山は今でも「声優をやりたい」という意志はあるという。4次元ポケットから次々とひみつ道具を取り出す、あの期待感あふれる声を、ぜひまた聞いてみたい。

(ライター・今村誠人)


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