後半に入ると54分に青山、香川、乾と素早くつないで左サイドから崩すと、乾の切り返しはクリアされたが、こぼれ球を交代出場の太田宏介(FC東京)が絶妙なクロスを送る。そして、ファーサイドに走り込んでいた岡崎は、フリーでダイビングヘッドを決めた。

 さらに80分。相手FKのシュートをブロックすると、大迫勇也(ケルン)のクリアに柴崎が猛ダッシュして、飛び出してきたGKの頭越しに40メートルのロングシュート。そして、83分には大迫からのパスを受けた宇佐美がドリブルで3人を抜き去り、右足でシュートを決めた。川又の5点目は右CKからだが、これも宇佐美が左サイドから速い突破と技巧的なシュートで獲得したものだった。

 この4点について、ハリルホジッチ監督は、こう話している。

「先に高い位置から行けといった。ただ、第1ラインと第2ラインがスペースを空けていたのでそれを修正した。ピッチ上で後半は罠を作った。(守備)ブロックを作ってスペースを空け、相手に攻めさせた。そしてカウンターから4点を奪った」

 これまで日本は、カウンターから失点することはあっても、決めることはほとんどなかった。2012年10月のフランス戦での香川の決勝点のような、偶然のカウンターはあったが、狙ってカウンターから点を取れる日本は初めて目にした。それも監督に就任して8日間足らずの練習で、チームをガラリと変えたのだから、その手腕には驚きを禁じ得ない。

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