タイトルをご覧になって「英語じゃないの?」と思った方も多いかもしれない。実はこれらの言葉のルーツはインドで広く話されているヒンディー語。とても遠い国の言葉に感じてしまうが、実は意外と身近な言葉なのである。

 たとえば「シャンプー」。これは英国植民地時代にイギリス人が召使いに対して使っていたヒンディー語「シャンポー(こすってくれ。動詞シャンポーナの命令形)」が語源。ほかにパジャマやバンダナなどもインドの言葉が語源だ。
「パジャマ」はゆったりとしたズボンを指す「パージャーマー」、「バンダナ」は絞り染めの布を指す「バンドゥヌ」がイギリス人によってヨーロッパに伝えられたもの。ちなみにバンダナの定番柄、ペイズリーもインドからスコットランド経由で世界に広がったデザインだ。

 子どもの頃、誰しも一度は読んだことのある絵本『ちびくろサンボ』。80年代後半、黒人差別だとして一時絶版問題にまで発展し話題となったが、実はこの舞台、アフリカではなくインドである。トラがバターになったくだりを思い出して欲しい。そう、アフリカにトラは存在しない。作者のヘレン・バナーマンは医師である夫とともにインドに渡り、そこでこの作品を書き上げたといわれている。

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