食べものも住まいも自然回帰が進むなか、電気にも自然エネルギーの波が押し寄せた。なかでも太陽光発電は一般家庭にも広がり、矢野経済研究所によると、2012年の市場規模は前年度比180.9%の1兆3198億円。同年に始まった固定価格買取制度の導入で公共・産業用は飛躍的に普及、住宅用も09年に導入された余剰電力買取制度でブームに火がついた。

 ここ数年の普及で、利用者の本音も見えてきた。物価上昇に加え消費増税のあおりで、気になるのはやはり家計への効果。太陽光パネルの導入には初期投資がかさむため、毎月どの程度の電気が売れるのか、もとがとれるのはいつなのか、が知りたいところだ。

 ハンファQセルズジャパンが、自宅に太陽光パネルを設置した男女を対象に調査したところ(2013年12月3日(火)~5日(木)男女各150名 インターネット調査)、太陽光パネル導入後の1カ月の電気使用料金と売電金額の収支は、平均で毎月約3千円の黒字。初期費用の平均回収期間は、購入時から換算して平均12.7年の見込みで、実際に利用してみて「思ったより早く回収できる」と喜ぶ利用者とそうでない利用者に分かれた。

 実は、設置した太陽光パネルに対する総合的な満足度は約94%と非常に高いが、個別にみると「曇りの日の発電量」には不満が多い。発電量は日差しの強さや日照時間などの影響を受けるため、昼間の時間が短い冬場や曇り、雪、雨など天気の優れない日は発電量が下がる傾向にある。また曇天時の発電量は、パネルのメーカーによって差が大きい項目のひとつだという。気象キャスターの木原実さんは、太陽光パネルを選ぶときのポイントとして、「曇りの時など空模様が優れないときの発電量」を挙げる。

 日本で「快晴」と呼ばれる日は、年間でわずか1カ月程度(全国平均)。ここでの「快晴」とは、日平均雲量が10分比で1.5未満の日を指す。地域による差はあるが、日本では雲一つなく晴れ上がる日は意外と少ない。

 また南北に長い日本列島の天候は、エリアによってまちまちだ。北海道では梅雨の時期が短く、沖縄には何度も台風がやってくる。小さな島国なのに、日本海側と太平洋側では別世界、なんてことも。「住んでいる地域の天候や日照状況なども十分に考慮して選ぶべき」と木原氏は指摘する。

 では、曇天時の発電量はどうすれば知ることができるのだろうか。太陽光発電パネルの発電効率は1平方メートルあたり1000ワット(=カンカン照りの状態)の太陽光を基準に定められている。具体的なことは商品購入にあたって販売店で確認するといいだろう。
利用者を対象とした先の調査でも、これから購入を検討する人へのアドバイスとして、94%が「曇天時の発電量」を挙げた。居住地の日照状況もチェックすると同時に、これからは「曇り発電力」にも注目したい。

【関連リンク】
ハンファQセルズジャパン
http://www.hanwha-japan.com/