ドヤ顔で乗る高級車はクールじゃない ~ 時代は“主張しすぎない高級車”を求めている 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ドヤ顔で乗る高級車はクールじゃない ~ 時代は“主張しすぎない高級車”を求めている

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品のあるボディラインで「ドヤ感」を排除。「それでも街中で『あ、アウディ 
だ』と気付かれる絶妙さが売り」(アウディジャパン・田代氏)

品のあるボディラインで「ドヤ感」を排除。「それでも街中で『あ、アウディ だ』と気付かれる絶妙さが売り」(アウディジャパン・田代氏)

ボディの軽量化に伴い、燃費も向上。スポーティな足回りを実現したことも新型A3スポーツバックの強みだ

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質感の高いインテリアはアウディの真骨頂。260km/hまで刻まれたメーター、赤文字や針がアウディ流のスポーティさを演出

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注目のMMI(マルチメディアインターフェース)タッチパッド式。中央のコマンドダイヤル上を指先でなぞれば、手書き文字入力も可能

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MMIナビゲーションシステムのメニュー画面。ドライバー視点で簡素化されたシステムは「使いやすい」と消費者からも好評価を得ている

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【集中連載】アベノミクス効果で伸びる高額消費 今注目を集める高級品の新常識に迫る ~Vol.6 Audi A3 Sportback(アウディ A3 スポーツバック)~

「アベノミクス」の影響もあり高額商品市場が活況を呈している。しかし、同じく高額商品が飛ぶように売れた80年代のバブル景気とは様子が違い、ただ「高いもの」ではなく、付加価値を兼ね備えたプレミアムな商品が選ばれているという。今、なぜこの商品が売れているのか。本連載では、高額商品市場から見えてくる消費者のインサイドに迫る――。

* * *

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは海外勢の躍進が目立った。大賞候補となったベスト10のうち外国車は実に5台。さらに大賞にはフォルクスワーゲン(VW)のゴルフⅦが輝いた。日本カー・オブ・ザ・イヤー、34年の歴史の中で外国車が大賞に輝いたのは初めてのことだ。 また、3位にはボルボV40が入賞し、ベスト3のうち2台がコンパクトな外国車がとなったことも時代を反映していると言える。

 自動車業界関係者はこう漏らす。

「日本の自動車市場は全体的に小型化傾向にありますが、高級車にも同じ現象が起きています。少子高齢化社会の中、大きい車から、小さい車に乗り換えられるお客様がとても多い。燃費もよくしっかり走れ、さらに高級感もある車というのが求められています」

 こうしたトレンドがある中、アウディジャパンはハッチバック「A3 Sportback」を9月に発売開始。同社によると、年内販売目標1850台は順調にクリアする見込みだという。

「小さな高級車」として知られるA3 Sportbackの10年ぶりのフルモデルチェンジ。3代目となる今回のモデルは、シングルフレームグリルとシャープなヘッドライトといった特徴的な外装に加え、内装もスイッチ類の少ないすっきりとしたデザインに一新された。さらに徹底したボディの軽量化で燃費効率の良い軽やかな走りを実現したことも好評価の一因だ。

 しかし、この車がとりわけ注目を集めるのは別な部分に理由がある。MMI(マルチメディアインターフェース)ナビゲーションシステムの拡張機能として搭載された「Audi connect(アウディコネクト)」は、通信回線を使いインターネットが利用できるほか、最大8台までのデバイスを接続できるWi-Fi機能付き。まさに“走る情報端末”といったところだ。

アウディジャパン株式会社プレセールス部商品企画マネージャーの田代友康氏は、Audi connectの魅力を次のように説明する。

「ドライバーが運転中に利用することを想定して、直感的動作で使用できるように操作性も簡素化しています。Googleストリートビューを使い目的地の街路写真を確認したり、天気予報、ガソリン価格を含むガソリンスタンド情報、駐車場情報、ニュース、近隣空港のフライト情報を得ることも思いのまま。また音声認識の精度も高いので、運転しながらでも簡単に通信できるのが強みです。日本初となるWi-Fi機能搭載車なので、お手持ちのスマホやタブレットなどを使えば、A3 Sportback車内は自宅同然。同乗者も自由にネットが楽しめます」

 この手のハイテク仕様の車は過去にもいくつかあったが、ユーザーの間では「こんな機能は必要ない」、「操作性が悪い」など手厳しい意見があった。しかし、Audi connectはドライバー視点で「本当に必要な情報」だけに絞って、簡単な操作のみで利用できる仕組みになっている。特に音声認識に関しては「スマホなどの音声認識でご不満を持たれている方でも、これを使えばかなり驚かれると思います」(田代氏)と自信を覗かせるほどだ。

 ちなみに新型A3 SportbackのMMIナビゲーションシステムの装備は、いずれのグレードもメーカーオプション。オプション価格は30万円とやや値は張るが、ソフトバンク3G回線の通信費3年分のほか、液晶画面の7インチへの大型化、ミュージックサーバー機能などが標準装備からアップグレードされる。田代氏によると、現段階での購入者の“オプション率”はほぼ100%だという。

「日本市場に限った話ではありませんが、今後は益々、他人や他の車となにかしらの関係性、つながりを持つような車が主流になっていくと思います。例えばフェイスブックやツイッターのようなソーシャルメディアも連動させて、運転しながらいろいろな人と音声でやり取りができる。さらにあらゆるインフラと連動して、渋滞を回避する道路に誘導してくれたり、ゲリラ豪雨を避ける道を教えてくれるなど、より快適なドライブができるよう手助けしてくれます。いろいろなものに“つながる車”こそ、より注目を集めていくと思います」

 次世代の車への第一歩を踏み出した A3 Sportback。その先進性もさることながら、アウディブランド全車種に共通するコンセプトが今の消費者の心をつかんでいるようだ。

「高級車ブランドという“看板”だけではなかなか売れない時代。現在、アウディはどの車種にも“主張しすぎない高級車”というコンセプトがあります。街を走っていて『どうだ、いい車だろ』と強い主張のある車は、あまり好まれないのです」

ラグジュアリーすぎず、品のある大衆的高級車という絶妙なスタンスこそ今の高級車市場のトレンド――田代氏はそう指摘する。かつてブランド志向が強くエンブレム至上主義だった輸入車の世界でも、最近は“ゴージャス”より“シンプル/スマート”の方が消費者の琴線に触れるということ。つまり、ドヤ顔で乗るような高級車はもはやクールではないのだ。


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