せっかく貯めた頭金を運用に回し、全額ローンで住宅購入した男性の悲劇

横山光昭:家計再生コンサルタントダイヤモンド・オンライン
●頭金として1100万円貯めたのに教育費が減ってしまって…

「小学生の子どもが2人いるのですが、貯めていた教育費が減ってしまって…」と家計相談に訪れた会社員のEさん(39歳)。その理由を尋ねてみると、「住宅ローン控除が受けられるから、頭金を入れずに全額ローンで家を買った方がいいと言われて、その通りにしたんですが…」と落ち込んでいました。

 Eさんは、マイホームの頭金として1100万円貯まったので、住宅の購入を決意しました。そのタイミングで、同僚から「全額ローンにして、『住宅ローン控除』を受けた方が得だよ。貯めた頭金は、別のもので運用して増やせばいいし、繰上げ返済は控除期間が終わってからでいいんじゃないか」と言われたそうです。

 ですが、いざ全額ローンで家を購入したら、なぜか頭金として貯めていた貯蓄が徐々に減ってきていることに気がつきました。「貯蓄の一部を小学5年生と3年生、二人の子どもの教育費に当てたいと思っていましたし、控除期間が終了したら頑張って繰り上げ返済して、住宅ローンの早期完済を目指すつもりだったのに…」と、Eさんは落胆していました。

 どうして、このようなことになったのでしょうか。

 実は、全額ローンにしたことで、毎月の返済負担が大きくなってしまい、その結果、家計が毎月赤字になってしまったというわけです。そもそもEさん一家は、生活費が収入の範囲内に収まっておらず、足りないときには貯蓄に頼っている状況でしたので、そうなるのも必然と言えました。

 確かにEさんは、頭金をコツコツ頑張って貯めました。しかし、お金に関する知識がなく、積極的に学ぼうという姿勢もない人でした。そのため、住宅ローン控除が具体的にどのように「得」なのか、よく分かっていませんでした。

 税金が還付される仕組みであることくらいは知っていたものの、具体的な手続きに関しては、住宅を購入した年に確定申告することさえ忘れなければ、翌年からは年末調整で税金が還付されるということだけ。お金の計算は専門の人がしてくれ、自動的に還付されるのを待っていればいいんだろうなぁくらいに思っていたそうです。

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