●『責任論』くすぶる中、会長続投 「残業代ゼロ」は労政審で仕切り直し

 一方で混乱があったとはいえ、連合内には土壇場での「決断」を評価する声もある。

 27日の中央執行委員会終了後、連合北海道の会長は記者団に、「組織や現場で率直に意見をぶつけ合って反映する形で引き留めたのは、結果的には良かった」と語った。

「執行部の責任論」がくすぶる中で、8月1日、連合は、神津会長の続投(留任)と、「残業代ゼロ」容認を主導した逢見氏を会長代行にする人事を内定、立て直しを図る構えだ。
 だが今回のドタバタを経て、連合に「芯」が通ったのかどうか。

 札幌で会見があった翌日、塩崎恭久前厚生労働大臣は、高プロの導入と残業時間の上限規制の法案を一本化する方針を正式に表明。一本化や修正の中身は、今後、労働政策審議会で議論される。

 神津会長は労政審での対応について、「(一本化される)法案全体を見て、連合としての考え方をまとめたい」と、賛否の明言を避けている。

 労政審でどのような議論を展開するのか、支持率急降下で求心力に陰りが出始めた安倍政権との距離をどうするのか、連合にとって次の正念場となる。

(ダイヤモンド・オンライン編集部)