第12回 タネイのバッグ |AERA dot. (アエラドット)

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第12回 タネイのバッグ

文・鈴木正晴

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愛媛の和紙職人、サイトウさん(中央)とうちのスタッフ

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笑顔のすてきなイマイチャン

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持ち手が柔道の帯でできているオビトート。さて、どちらがAでどちらがBでしょうか?
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 年に2回、2月と9月は東京・お台場で大きな展示会が開かれます。全国の作り手のみなさんがたくさんの商品を発表する場。いまではうちのスタッフがこぞってこの展示会に足を運び、これぞという商品を一生懸命探しています。私はいつも一人でふらふら会場を歩いているのですが、スタッフとすれ違うとその顔の楽しそうなこと。楽しく仕事をするってこういうことなんだなあと実感しています。

 思えば4年ほど前、まだお店を作ったばかりのころ、まだ新入社員のイマイチャンを連れてこの展示会に行ったことがありました。いつもの通り、はじからはじまでみっちり歩き回って様々な商品を見ていた中で、イマイチャンが「気になる」と言ったバッグ屋さんがありました。二人でそのブースに戻り、私も新入社員の前でいいところを見せたいと思い、「こっちのバッグとこっちのバッグ、どっちが売れると思う?」なんて話をしました。イマイチャンがAのバッグ、私がBのバッグを選びました。まあAも売れないことはなさそうだし、イマイチャンの勉強だと思いAもBも両方仕入れたのですが、オチは想像通り。いまではAは当社の主力商品になっています。Bもまあまあ売れています、自分の名誉のために言いますが!

 日本のモノヅクリとスグレモノをテーマとし、作り手の思いを伝える場である日本百貨店。作り手の思い、使い手の思い、その間で我々は生き生きと伝え手として働きたい。生き生きとあるためには毎日が楽しくないといけない。楽しむということは、自分の考えをもって動くこと、動けること。そしてその結果をしっかりレビューして、考えて次の動きを決めること。みんながそうやって働ける、そんなニッポンヒャッカテンでありたいなと思っています。

 日本百貨店には個性のあるスタッフが勢ぞろいしています。また機会をいただいて、ちょっとずつご紹介できればと思っております。店舗にもぜひ、会いに来てくださいね。

 さて今回ご紹介する商品は、件のバッグAとBです。

 愛知県三河地区で、90年以上にわたって剣道着、柔道着などを作り続けている「株式会社タネイ」のバッグ。この地域は日本で最初に綿業が根付いたといわれています。道着に使われる“三河木綿”を使った刺し子織は、耐久性や保湿・吸湿性に富んだ、肌触り抜群の生地。タネイはその生地を用いて、日常使いにぴったりなバッグを作りました。道着づくりで培われたノウハウで、分厚い生地の縫製もお手の物。そもそも手縫いだった刺し子が機械織りに応用されて、単価も抑えることが出来ました。ガンガン使ってもへこたれず、それどころかドンドン味が出てきます。綿の凹凸が生み出す、表情豊かな発色も魅力的。日本百貨店各店でたくさんのお客さまに愛されており、中にはおひとりで何個もお持ちのお客様もいらっしゃいます。

 さあ、どちらがイマイチャンのバッグでしょうか。どちらもすごく使い勝手がよくお値段も手ごろ、うちの人気商品ですが、毎月Aにはどうしても勝てないんですよね……。


(更新 2015/6/17 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)

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