最近、多くの人が自力電子出版を始めている。電子書籍は印刷費はかからない。原稿をPDFなどのファイルにまとめて表紙をつければ電子書籍の体裁になる。それを配信代行サイトなどに登録すれば、有料で販売することが可能なのだ。
 ということで私も電子書籍を作ってみた。

 今まで電子書籍は数十冊リリースしているのだけれど、自作するのはこれが初めて。作るは「イケメン写真集」。今まで出版社に何度か企画を持ち込んだことがあるけれど売れるかわからないということで一度も実現しなかったこういう企画こそ、自力電子出版向きだと思う。

 電子書籍は世界に向けて配信しようと夢だけは大きい私。世界に日本男子をアピールするなら着物しかない。それで普段から着物に親しんでいるイケメンにモデルになってもらい「KIMONOBOY」というタイトルで作ることにした。

 そこからは大変なことの連続だった。
 自分でスタジオを予約し、撮影し、写真を選び、トリミングし......やることがいっぱいで時間ばかりが過ぎていく。目も疲れるし通常業務もあるしでついに私は音を上げて、表紙のロゴだけはプロのデザイナーさんに依頼した。でも出来上がってきたロゴは「着物ボーイ」と日本語表記。私の伝達ミスで英字ではなかったため、結局自分でタイトルも入れることになった。文字をバランスよく入れるまでに3時間もかかった。
 へとへとになりながら今まで自分は多くの人に支えられながら本を出してきたんだなあと改めて感じた。

 かくして100%自家製となったこの電子書籍。できあがってみるととても可愛い。いくら眺めていても飽きないくらいだ。

 この「KIMONOBOY」、12月5日の文学フリマで実験的に販売する。電子書籍なのでモノは手元にないくせに対面販売をする。購入したお客様のメールアドレスを聞き、その場でダウンロードできるアドレスをメールでお知らせする方法なのだ。
 値段まで自分で決めることができるので本当は500円にするつもりだったけれど、大サービスで300円にした。なぜならより多くの人にこの本を見てもらいたいから。
 さてイベント当日、何人の人が買ってくれるか楽しみにしている。

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文学フリマ
内藤みかはA-19の「ついのべ(twitter小説)」のブースに出展します。