先日、東京で旅行会社を経営し、「隊長」という呼び名を持つ中村伸一(なかむらしんいち)さんにお会いした時に、面白い話を聞いた。

自分の名前をネットで検索すると、同姓同名の医師が現れるという。医師の中村伸一さんは、福井県のへき地医療を一手に担っている。その彼が今年1月、テレビ番組に出演したのだ。

隊長の中村伸一さんは番組を観た後、テレビ局の掲示板に「同姓同名のものです」と名乗り、感想を書き込んだ。すると医師の中村さんから返事が来て、彼もまた、ネットで検索すると現れる同姓同名の隊長のことを以前から気にしていたという。

このことを隊長の中村さんがブログに書くと、今度は別の中村伸一さんからコメントが入った。そのかたは山口大学非常勤講師だという。なんとその直後、隊長の中村さんは山口県での講演の予定が入っていた。

生まれて初めて行った山口県では、同姓同名の中村伸一さんが講演会のスタッフまで引き受けて出迎え、温かくもてなしてくれたという。
しかも同じ名前を持つ3人は同世代。この奇遇な巡り会いに、3人の中村さんは「一緒に何かをしよう」ともりあがった。

かくして7月4日に、3人の中村伸一さんのトークライブが東京で行われることが決まった。3人とも過去に何度も講演経験があり、世のため人のためにエネルギッシュな人生を送ってきたという共通項がある。当日は大変盛り上がりそうだ。

このような出会いは、ネットがなければ起きなかっただろう。高速検索サイトは、普通なら起こりえない奇跡的なご縁すらも運んできてくれるのだ。しかも、無料で。

実は、この話を私は他人事とは思えずに聞いていた。私の本名で検索すると、やはり同姓同名の女性が出るからだ。
私と同じ名前のかたは、数年前のとある事件の負傷者として療養中だとニュース記事になっていた。励ましの手紙を送りたいと思ったけれど、同じ名前というだけで見ず知らずの人に手紙をお送りしていいかどうか躊躇(ちゅうしょ)して、出せずにいた。

それから2年ほどして再度検索してみると、その女性は、なんと事件での経験を、体験記として出版されていた。  同じ名前で、本を出している人がいる。これには偶然では片づけられない強いメッセージを感じていたのだ。

3人の中村さんに刺激を受けたので、私も、もうひとりの私に、近々コンタクトをとってみようと思う。  

トークライブの詳しいご案内は、隊長の中村伸一さんのブログまで。