トト(写真左)とミーコ(同右)(森さん提供)
トト(写真左)とミーコ(同右)(森さん提供)

 新型コロナの影響で家に居る時間が長くても、わが家には心を癒やしてくれる宝物がある。

 それは家族。ただし、人間ではなくである。しかも8匹も。

 室内で全部飼っているわけではない。室内で飼っているのは3匹。住まいであるお寺の境内で寝泊まりしている住み込みが3匹。通ってくるのが2匹。合計8匹である。

 先輩猫のミーコは雄で、体はデカいが気は優しく、次々と増える新顔を優しく受け入れ、時には教育的指導(猫パンチ)を行うこともある。

 しかし、次に来たトトは雌とは思えぬ気の強さと眼力でミーコを圧倒し、彼は毎回返り討ちにあう(写真、上からのしかかっているのがトト・2歳、下で防御しているのがミーコ・4歳)。

 短足胴長のトトは、愛らしい外見に似合わず大食いで、最近はついに餌入れの引き出しを開けられるようになった。困った才能である。

 写真には写っていないが、3匹目は去年の春に保護した元野良猫のトラ子(雌、4歳)。お寺に通ってくるうちに私と恋仲になり、とうとう飼うことになった。

 トラ子は元野良とは思えぬ上品さで、餌も控えめに食べて少し残す。

 抱き上げるとわずかに抵抗してくるが、ミーコやトトのように嫌がって暴れ、容赦なく爪で引っかいたり、大口で噛みついたりは絶対にしない。

 しかし、夜は別猫である。激しい遊びっぷりに先輩2匹もたじたじだ。

 3匹の猫たちのおかげでわが家は笑いが絶えず、腕の生傷も絶えない。

 本当に癒やされているのかどうかは定かではないが、一日が猫と共にあっという間に過ぎる。猫たちは自粛もせずやりたい放題。羨ましい限りだ。

(森久美子さん/香川県/60歳/主婦)

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