ミケちゃん(星野さん提供)
ミケちゃん(星野さん提供)

 アルツハイマーの夫の介護中のため、悲しいし疲れるしで、ハッピーとは言えない日々。海外に住む娘から「を飼えば」という助言が。娘曰く、猫がいない生活は人生のムダ、なのだとか。

 実は、猫の力を借りたいと密かに願うことがあった。それは夜な夜な出没するネズミ。ふすまをかじり、フンをまき散らすという、人には言えない有事が起きていたのだ。

 そこで決心。やっぱり猫を飼おう! 娘によると猫は余っているそうだから、すぐに飼えると思ったが、甘かった。

 保護猫の譲渡会でも、譲渡OKの猫カフェでも年齢を理由に断られる。理屈ではわかるけど、悲しいやら残念やら。

 それでも探していたら、今年の3月、夜の散歩中に猫おばさまに遭遇した。自転車に猫缶をたくさん積んで、地域猫の面倒をみている人だった。それも毎晩。雨でも、晴れでも、みぞれでも。

 いつか引き取られるときのため人間になれさせ、避妊手術をし、病気になったら自分のうちに連れていくという。

「猫が1匹ほしいんです」と相談すると、快く地域猫を何匹も引き合わせてくれた。

 そしてお迎えすることになったのが、ミケちゃん(写真、雌)。推定7歳で野良歴も7年。白地にアートな三毛模様がすてきな美人さん。

 はじめはなれなかったけれど、だんだん家を散策し、居場所を見つけるようになった。3カ月もすると、背中を撫でても逃げなくなった。ネズミは出なくなったし、ミケちゃん会いたさに、息子も来るようになった。

 何より、娘の言うことは間違ってなかった。猫のいない日々は人生のムダだったかも。ミケちゃんありがとう。

(星野幸子さん/東京都/76歳/主婦)

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